“買い”は入るが“売り”はなし!? ゴルフ会員権市場の現状と2025年以降の傾向を識者に聞いた
買いが入る人気コースと売りばかりの不人気コースとの違いって?
コロナを機に、バブル期以来の活況にわくゴルフ会員権市場。コロナが5類に移行したあたりから会員権市場もやや落ち着きを取り戻してきたとはいえ、依然として人気コースは高値で売買されているといいます。 【画像】どんなゴルフ場でも映える! トヨタ「クラウンスポーツ」のキャディバッグ積載量をチェック ゴルファーなら誰もが一度は憧れるような人気の名門コースともなれば、なかなか“売り”がなく、限られた“買い”のチャンスをひたすら待つのみ……といった話もたまに聞きますが、景気の低迷が続く昨今、会員権売買の現状はどのようになっているのでしょうか。 「売りモノがほとんど出てこない超人気コースも確かにありますね。ですが、売りたい人がいても“買い”が入らず、値が付かないような不人気コースも、実は相当数ありますよ」と語るのは、四半世紀に渡り、ゴルフ会員権を専門に扱ってきた加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さん。
では、人気コースと不人気コースの違いは、いったい何なのでしょうか。 「買い手側や売り手側がゴルフ場に求めるものは人それぞれですので、人気不人気の理由は一言では表せません。でも一般的なことをいうならば大都市圏からのアクセスがよかったり、練習施設やレシプロ(提携コース)が充実していたり、また土日でも組単位で予約が取りやすいというようなクラブは総じて人気が高いですね」 「そして、どれがよくてどれが悪いというものではないのですが、ゴルフ場にはメンバーさんたちが長い時間をかけて作り上げてきた固有の“文化”というものがあります」と前田さん。 「例えば、ラウンド前の過ごし方一つとってもゴルフ場によって実にさまざまです。メンバーさんの多くがアプローチ練習場で熱心に練習してからプレーに臨むゴルフ場もあれば、ラウンド前にはみんなが食堂に集まって朝食や飲み物をとってからプレーするようなゴルフ場もあります。こういった“ゴルフ場の文化”を受け入れられるのか否かが、会員権売買に少なからず影響していることも確かです」 さらに前田さんは「当たり前ですが、ゴルフ場の経営スタイルも人気を左右する」といいます。 「経営者の判断が適切で経営状態の良いゴルフ場であれば、コースやクラブハウス等のメンテナンスが行き届きますし、また豊富なスタッフによる目配りや気配りも充実して会員の満足度も高まります。退会を考えるメンバー自体が少ないわけですから、新たに入会できるチャンスも限られるので、ますます人気が高まるわけです」と、前田さん。 逆にいえば、キャパシティーを超える詰め込み過ぎがしばしば話題に上るコースや、経営サイドと理事会との対立がささやかれるコースなどは敬遠される傾向にあるということなのでしょうか? 「そこはいわずもがなでしょう。けっして安くないお金を支払って、わざわざ雰囲気のよろしくないコースのメンバーになりたいと思う人なんて、そんなにいないと思いますよ。僕が本当に気の毒だと思うのは“会員権を売りたいけど売れない、退会したいのに退会できない”という悩みを抱えた会員さん。コースにほとんど行かないのに年会費はしっかり取られますからね」