“買い”は入るが“売り”はなし!? ゴルフ会員権市場の現状と2025年以降の傾向を識者に聞いた
“売り”がほとんど出てこない人気コースはどのあたり?
“買い”がどんどん入る人気コースと、“売り”ばかりが目に付く不人気コースの大まかな違いが理解できたところで、関東圏では実際どのあたりのゴルフ場が人気となっているのでしょうか。 「“売り”が全くないというよりは『たまにあるけど高い!』という見方でいくとすれば、東松山カントリークラブ(埼玉県)、中山カントリークラブ(千葉県)、小金井カントリー倶楽部(東京都)、桜ヶ丘カントリークラブ(東京都)、府中カントリークラブ(東京都)あたりは依然人気が高く、会員権を手に入れるのは、なかなかハードルが高いですね」と前田さん。
いずれのコースも都心からのアクセスがよく、卓越したコースデザイン、隅々まで行き届いたメンテナンスに高いホスピタリティーと、三拍子そろった伝統と格式のある名門コースばかりです。 「コロナ以前からこれらのコースの人気は安定していましたが、コロナ後にますます注目されるようになり、ここのところ一層人気が高まっているように感じます」 売買価格が高いのは承知のうえで、どうしても人気コースのメンバーになりたい場合は、どうしたらよいのでしょう? 「“売り”が出るタイミングは、僕ら会員権業者にも正直わかりません。ですが、変わらず人気はあるけれど、ぼちぼち売りが出てきたコースもなかにはあります。日光カンツリー倶楽部(栃木県)や大利根カントリークラブ(茨城県)あたりが、まさに狙い目でしょう」 「令和2~3年ごろ、会員権価格が30~40万円だった日光CCの現在の価格は400万円ほど。大利根CCも令和2~3年ごろは会員権価格が300~400万円でしたが、現在は950万円前後と、いずれも大幅に値上がりしました。このように上がり過ぎた感のあるゴルフ場は“売り”が出やすくなるんです」 会員権の購入を検討するのなら、会員権業者からの有用な最新情報を仕入れることが何より大事。メンバーライフを夢見る人は、まずは業者に明確な希望を出しておくことから始めるとよいのかもしれません。
【監修】加賀屋ゴルフ代表 前田信吾さん
ゴルフ会員権取引を行う加賀屋ゴルフ代表取締役。ここ10年は、2日に1回の割合でラウンドを楽しむゴルフの達人(2023年は年間219回!)。独自の視点を生かしたゴルフ場の比較&検討に定評アリ。
月夜野いおり