48年間「ラーメン1杯290円」を貫くラーメン店が【12時間ツーオペ営業】を実施する「シンプルな理由」
福岡県内に9店舗を展開する「博多ラーメン はかたや」は、原価高騰の時代に1杯290円の激安ラーメンを提供するラーメン店である。県民にとって日常食であるラーメンを気軽に食べてもらうため、創業当時から今の価格を貫いている。 【写真】一風堂ニューヨーク店の成功でわかった、日本人の「ヒドい勘違い」 その値段に対するこだわりと社長の思いは、前半記事『創業から48年間「値上げしない博多ラーメン店」を直撃…物価上昇時代に【1杯290円】を貫く「驚きの信念」』で詳しく説明した通りだ。 しかし、どんなに思いが強くとも、原価が上がれば利益が下がるのが道理。同店は、どのような工夫で原価高騰に立ち向かっているのか。 前半に引き続き、昭和食品工業株式会社の社長である澄川誠氏に聞く。
無料トッピングに値段を抑える秘密が…
ラーメン店の中では、原価高騰によって卓上に置かれる無料の調味料を撤去する店もある。しかし、同店では長年変わらず、紅生姜・ごま・ニンニク・コショウ・ラー油が卓上に並んでいる。 実は、この部分にも値段を抑える秘密が隠されていた。 「その代わり、うちではからし高菜は置いていません。博多ラーメンの店だと、からし高菜も無料で置いているところがありますよね。うちは元々、からし高菜は有料のトッピングにしていますが、これを無料にしてしまうと、ラーメンの値段を上げざるを得えなくなる。 そうなると、からし高菜を食べない人からも、からし高菜の料金をとっているのと同じになってしまいます。博多ラーメンの基本ともいえる調味料は無料で提供しつつ、そうでないものは始めから有料トッピングにすることで、今の価格を実現できるわけです」
味の追求は価格の追求があるからこそ
290円のラーメンと聞くと「安かろう悪かろう」という言葉がある通り、「おいしさにこだわっていないラーメンが出てくる」と思う人もいるのではないだろうか。しかし、同店は「安くて美味い」と評判が高い。 澄川氏は、290円ラーメンの味へのこだわりについて次のように話す。 「まず、値段に関しては上げなければいいだけです。しかし、味はどこまでも追求していかなくてはならないので、一番こだわっています。麺に含まれる水分・スープの濃さ・タレの塩分や旨みの濃さ、それから油の香り……。ラーメンの味は”バランス”で決まります。例えば、どんなにいい醤油でも、タレに醤油を使いすぎると美味しくなりません。 そのバランスをストライクゾーンのどこに落ち着けるかが一番重要で一番難しいですが、うちは『この値段を守ろう』という強い信念があったからこそ、社員みんなと脳みそを絞って試行錯誤を繰り返した。結果、『安価ながらも美味しいはかたやの味』を見つけられたのだと思います。値上げ前提の経営だったら、その試行錯誤もなかったでしょうね」
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