温泉で歯が溶ける? お風呂を控えるのは口内がこんなとき! 温泉・お風呂と「歯」の関係性【医師が解説】
お風呂での歯磨きのメリット
・リラックスして丁寧に磨ける 歯の汚れをしっかり落とすためには、じっくり時間をかけて歯磨きすることが大切ですが、お風呂では湯船に浸かりながら十分な時間で「ながら磨き」ができます。2015年に878人を対象として実施されたアンケート調査によると、歯磨きをする場所として洗面台が最も多く、お風呂の割合は決して高くはありません。洗面台の前で十分に歯磨きするのはしんどいですが、風呂場であれば湯船で座って浸かりながら、のんびりと長時間1本1本丁寧に磨くことができるので効果的です。 ・口の中の汚れが落ちやすい 湯船で体が温まると血行が促進されて新陳代謝がアップし、質の良いサラサラとした唾液が分泌されるようになります。その結果、歯垢を洗い流す自浄作用が高まって歯ぐきが緩み、歯垢を落としやすくなります。 ・歯磨剤が不要で経済的 歯磨剤を使うと口が泡だらけになり、すぐにうがいをしたくなって、じっくり磨けないことがあります。湯船での「ながら磨き」では歯磨剤を使わないため、うがい回数も減らすことができるので、じっくり磨くことができます。 * * * 以上より、温泉やお風呂をうまく活用しながら、健康的な口の中を保つようにしましょう。 記事執筆/島谷浩幸 歯科医師(歯学博士)・野菜ソムリエ。TV出演『所さんの目がテン!』(日本テレビ)等のほか、多くの健康本や雑誌記事・連載を執筆。二児の父でもある。ブログ「由流里舎農園」は日本野菜ソムリエ協会公認。X(旧Twitter)も更新中。HugKumでの過去の執筆記事はこちら≪ 参考資料: ・早坂信哉:温泉と健康.日本AEM学会誌28(3):196-201,2020. ・日本温泉協会ホームページ:温泉名人,2024. ・ライオン×オウチーノ共同調査:「オーラルケア」に関するアンケート調査,2015.