投資をするなら最悪これだけ知っておきたい「金融商品」の概要…株式・投資信託・債券・外国為替・デリバティブ・オルタナティブ【公認会計士が解説】
「いまよりお金持ちになりたい」と思っている方は多いでしょう。そんな願いを実現するには、正しい資産運用の知識を学び、資産を育てるという姿勢も大切です。ここでは株式・投資信託・債券をはじめとする金融商品の概要について、元メガバンカーの公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
株式投資の成功は、重要な「指標」の理解がカギに
投資家は企業の経営成績を評価する際、「ROA」と「ROE」という指標を用います。 総資本利益率(ROA)は、事業利益を総資本で割ったもので、企業が資産をどれだけ効率的に利用して利益を生み出しているかを示します。 総資本事業利益率(ROA)= 事業利益/総資本 ROA = 売上事業利益率 × 総資本回転率 事業利益/総資本 = 事業利益/売上高 × 売上高/使用総資本 自己資本利益率(ROE)は、当期純利益を自己資本で割ったもので、自己資本を使ってどれだけの利益を生み出しているかを表します。 自己資本当期純利益率(ROE)= 当期純利益/自己資本 ROE = 売上高当期純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ 当期純利益/自己資本 = 当期純利益/売上高 × 売上高/使用総資本 × 使用総資本/自己資本 上場株式の株価は、将来予想される利益の現在価値に基づいて評価されています。利益が増加すれば、株価も上昇すると考えます。株価が理論価格と比較して割安か割高かを判断するため、PERやPBRなどの指標が用いられます。 EPS、すなわち1株当たり利益とは、当期純利益を発行済み株式数で割ったものです。PERすなわち株価収益率とは、株価をEPSで割ったもので、PERが高いほど株価は割高、低いほど割安とされます。 1株当たり当期純利益(EPS)= 当期純利益/発行済株式数 株価収益率(PER)= 株価/1株当たり当期純利益(EPS) BPS、すなわち1株当たり純資産とは、純資産を発行済み株式数で割ったものです。PBRすなわち株価純資産倍率は、株価をBPSで割ったもので、PBRが高いと割高、低いと割安とされます。PBRが1倍未満では、企業の清算価値よりも株価のほうが安い状態を示します。将来の業績悪化を市場が予想している場合、PBRは1倍未満になります。 1株当たり純資産(BPS)= 純資産/発行済株式数 株価純資産倍率(PBR)= 株価 /1株当たり純資産(BPS) 理論株価を評価する場合、割引率の考え方が重要です。 割引率は、株主が期待するリターンや株主資本コストを意味し、上場企業の株主資本コストはCAPM理論を用いて求められます。 CAPM理論によると、個別株式の期待リターンは、市場リスクプレミアムに個別株式の市場に対するベータすなわち感応度を乗じたものに、無リスク利率を加算して算出されます。 β=(市場ポートフォリオと個別資産の共分散)/(市場ポートフォリオの分散) 個別株式の期待リターン =無リスク資産のリターン + β × (市場ポートフォリオのリターン - 無リスク資産のリターン)
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