Bloomberg

（ブルームバーグ）： 10日の日本市場では株式が続伸。米国景気の軟着陸期待や為替相場の円安進行を背景に買いが先行した。円相場は一時約２カ月ぶりとなる１ドル＝149円台半ばに下落する場面が見られ、債券利回りは上昇した。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは10日、総額2818億円の円建て債の発行条件を決めた。2019年の初回債に次ぐ規模で、株式市場では同社による追加投資への期待も膨らむ。

一方、日本時間夜に米消費者物価指数（ＣＰＩ）の発表を控えて、主要株価指数の上値は限定的。雇用統計の上振れで米追加利下げ観測が後退している中、事前予想通りにディスインフレ傾向の継続が確認されるか市場は注視している。

株式

株式相場は２営業日連続で上昇。景気懸念の後退を背景に米国株が上昇した流れを引き継いだ。為替の円安進行を受けて自動車など輸出関連株が買われ、米金利の上昇を追い風に銀行や保険など金融株も高い。

一方、電機や小売業、サービス業などが安く、主要株価指数は徐々に伸び悩んだ。

岡三証券の内山大輔シニアストラテジストは、米国市場が比較的好調で、為替も円安に振れていることが株価を押し上げていると指摘。その上で、日経平均は３万9800円に近づいており、タイミング的にポジションを取って利益を確定するには良い時期との見方を示した。

ソフトバンクグループや三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車がＴＯＰＩＸの上昇をけん引。一方、四半期営業利益が市場予想を下回ったイオン株は急落し、指数の足かせとなった。指数構成銘柄2127のうち、767銘柄が上昇し、1251銘柄が下落した。

為替

円相場は１ドル＝149円台前半を中心に推移した。序盤は時間外取引で米金利の上昇が一服したことや日本株の伸び悩みを受けて買い戻しが先行。午後には中国や香港株の上昇を背景に一時約２カ月ぶりの水準まで売られる場面が見られた。