“趣味・卓球”の普通の社会人なのに…3年連続全国8強で日本リーグも参戦 クラブチームBUDDY
“卓球を職にしないチーム”で3年連続全国ベスト8入り
堀本真之介:初期メンバーの丸さんからもチームの特徴についてお伺いできればと思います。 丸裕一郎:全日本クラブ卓球選手権で3年連続ベスト8に入ったのですが、メンバーの中で卓球を職にしている人はいません。 例えば西田はファイナンシャルプランナー、生野は公務員、今田は保険営業、西野伊織(育英高等学校→龍谷大学出身)は教員です。 丸裕一郎:卓球が仕事ではないので、隙間の時間で練習しなければなりません。 限られた時間の中で自分の実力をつけて、クラブ選手権で3年連続ベスト8に入れたのは、稀なチームなのではないかと思います。 堀本真之介:生野さんが思うチームの特徴はありますか? 生野数貴:チームの層が厚いのが特徴です。僕はクラブ選手権に3回出場して、3回とも大体1試合ずつぐらいしか出ていません。 ベンチのメンバーが同じくらいの強さであることが、団体戦で勝てている要因だと思います。誰が出ても変わらないので、今年はじゃんけんで出るメンバーを決めていたこともあります(笑)。 全員が同じくらいの実力なので、試合に起用されやすく、試合に出ないということがないのも大きな特徴ですね。
普通の社会人チームが日本卓球リーグに参戦
堀本真之介:2024年前期には実業団が鎬を削る最高峰のリーグでもある日本卓球リーグにスポット参戦もされていました。出場の経緯、実際に出場してみた感想をお伺いしたいです。 生野数貴:クラブ選手権でベスト8に入って権利があったので、日本リーグに人生で1度は出てみたいというのは、みんな同じ気持ちだったと思います。 ただ、参加するうえで厳しかったのは2つあって、1つは高い参加料です。そこは応援してくださっている方々にお願いに回ってかき集めたり、自分の実家がある浜松開催だったので実家に泊まることで宿泊費を節約したりして工面しました。 もう1つが水曜日から始まる日程です。 堀本真之介:平日の週のど真ん中ですよね。 生野数貴:全員が普通の社会人なので、日程が合わず人数を揃えるのが一番大変でした。最終的にほぼBチームというか、クラブ選手権の時よりもレベルの高い大会なのにメンバーが弱くなりました(笑)。 当時レギュラーだったのが、西野、今田、西田、丸、生野でしたが、ほとんど出場できず、西田も大会途中で怪我をしたので、当日は西本晃樹(金光大阪高等学校→関西大学出身)、桐村陸人(滝川第二高等学校→立命館大学出身)、天神林朋(金光大阪高等学校→天理大学出身)、小橋健人(興国高等学校→天理大学出身)が出場していました。 堀本真之介:途中で怪我は悔しいですね。 西田成利:とても楽しみにしていて、普段は週1練習のところを週2、週3で練習して準備していました。 当日の試合は、相手の実力が上なので、すべて全力でやらないと試合が成り立たない状況でした。その結果、2日目の第3戦あたりから肉離れを起こして歩けなくなり、以降の試合すべて欠場になってしまいました。 生野数貴:結局、水木金と仕事を3日間休んでくれたメンバーが7、8人いたので、西田が欠場しても出られる選手がいたのが救いでした。 社会人ながらも皆がチームのために貴重な時間を捧げてくれているなと感じましたね。 おかげさまで、日本リーグは本当にいい経験でした。前半戦をほとんど誰も1ゲームも取れずに折り返しまして、最終的には2部12位という結果、つまり最下位で終わってしまいましたが。 堀本真之介:日本リーグの壁を感じましたか? 生野数貴:卓球と仕事を本気で両立している人は、全然実力が違うというところを痛感しました。 印象的だったのは、サンケイというチームと最下位決定戦をしたときです。僕が緊張しすぎて、ダブルスでマッチポイントを握っていたときに普通のフォアハンドドライブでボールが滑り落ちて逆転されましたね(笑)。