ないものねだりは罪ですか…わが子の障害克服を願う親は葛藤する。「違う環境なら…」。支援教育充実へ離島の声に県はどう応える
会の発足当初から参加する徳之島町の芳あずささん(49)は小学3年の長男がダウン症。「ほかの保護者の話を聞くことで、進学すればどのような課題があるか分かった」と話した。 会は23年度末、県教委に提言書を提出。離島にある高校への支援級・通級指導教室の設置や、全離島を対象にコーディネーターを配置することを求めている。 ◇離島特別支援教育コーディネーターとは 特別支援学級(支援級)の担任教諭らに専門的な指導や支援を行う。離島の特別支援学校(特支)は中種子(中種子町)と大島(龍郷町)の2校のみ。特支がない島では、障害が比較的重い子どもが小中学校の支援級に在籍している場合もあるため、特支のコーディネーターが巡回指導を行う。県特別支援学校等教育環境改善検討委員会は2023年2月、巡回相談について「さらなる充実を図ることが重要」と提言。これを受け、県教委は23年度に徳之島、屋久島、沖永良部島に配置。徳之島は今年7月から2人態勢となった。
南日本新聞 | 鹿児島
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