経営者「キックバックできる会社紹介」 長崎・南島原のサテライトオフィス問題で百条委 施工業者と食い違い
長崎県南島原市深江町の道の駅「ひまわり」に企業誘致のための「サテライトオフィス」を整備する事業が頓挫し、市に補助金9千万円が返還されていない問題で、南島原市議会の調査特別委員会(百条委員会)は27日、福岡市の会社経営者を証人尋問した。経営者は、事業者のエバーグリーン(佐世保市)に補助金の一部をキックバックできる会社を探して紹介したと証言した。 南島原市から補助金9千万円を概算払いされた施工業者の成和(福岡市)は20日の百条委で、経営者はコンサルタントで補助金の振り分けを指示したと証言していた。 27日の百条委で、経営者は「本業は医療関係でコンサルタントではない。サテライトオフィス事業には関与していない」と成和の証言を否定。「資金難のエバーグリーンに補助金をキックバックできる会社を探してほしいと知人に頼まれ、成和を紹介しただけだ」と強調した。 委員は、昨年8、9月に成和から経営者の口座に1千万円が振り込まれていると追及。経営者は「友人として成和の振り込みを手伝った。400万円は別会社に渡した。残りの600万円は成和から投資資金にしてくれと頼まれ、資産運用している」と述べた。 経営者から「知人」とされたのはエバーグリーンの元従業員。長崎新聞の取材に「会社を探してくれと依頼した当時はエバーグリーンの従業員ではなかった。キックバックの要請はしていない」と否定した。 百条委は来月3日開会の定例市議会に伴い休会し、年明けに再開する予定。隈部和久委員長は「証言に食い違いが出ている。精査する時間が必要」と語った。