【ロータス・エメヤ日本デビュー!】コーリン・チャプマンも夢見た4ドアモデル
1年経って2台目のBEVを投入
昨年夏の終わりに電動化モデル(BEV)で、クロスオーバーSUVスタイルのエレトレを日本デビューさせたロータス。2028年までに完全な電動化を果たすと宣言しているイギリスのスポーツカーブランドが、今年もまた新たな1台を上陸させた。同社がエレクトリック・ハイパーGTと呼ぶ「ロータス・エメヤ」である。 【写真】日本デビューを果たしたロータス・エメヤ (115枚) 今回エメヤがお披露目されたのは東京・南青山のプレイハウスというスペースだった。会場にはステージの上で黒いベールに包まれたエメヤの他に、F1マシンであるJPSカラーの「ロータス97T」や、ウェッジシェイプが美しい「ロータス・エスプリ・ターボ」という革新的なラインナップが新たなロータスの門出に立ち会った。 クロスオーバーSUVのエレトレとは違い、エメヤのボディにリフトアップ感はない。それでもボディサイズは堂々たるもので、全長5139mm、全幅2005mm、全高は1460mmほどもあり、これはポルシェ・タイカンよりひと回り大きいということになる。 だがその伸びやかなスタイリングはハイパーEVであるエヴァイヤや現行モデルのエミーラといった最新世代のロータスらしいエッセンスで纏められている。ロータスというとボディの素材はFRPに代表されるコンポジット材を想像してしまうが、エメヤの主要なパネルはエレトレと同様アルミニウムで作られている。
随所に見え隠れするハイパーな理由
今回日本導入が発表されたエメヤは3グレードで構成される。ベーシックな「エメヤ」とミドルグレードの「エメヤS」、そして最上級グレードの「エメヤR」である。各モデルともボディの前後にモーターを積むAWDで、その出力総計はエメヤとエメヤSでは612ps、エメヤRは918psに達している。 一充電航続距離を左右するバッテリー容量は102kWh。これはメルセデスEQSやBMWのi7に匹敵するサイズで、一充電走行距離はエメヤとエメヤSが500-610km(WLTP)、エメヤRは435-485km(WLTP)と発表されている。プラットフォームを共有するだけあり、バッテリー容量や最高出力といったエメヤの主要なスペックはエレトレのそれに近い。 これまでは可能な限りシンプルな構造を持ち、軽量であることに重きを置いてきたロータス。だが同社は、電動化のタイミングではっきりと方向性を変えてきたといえる。バッテリーのサイズを考えればある程度の車重は受け入れなければならない。けれどハイテクを駆使することで、新たなロータス像を目指そうということなのだろう。 0.21という優れたCd値以上に感心させられるのは、150kg以上という総ダウンフォース量だ。可変のエアロダイナミクスや可変のエアサス、そしてエメヤRに備わるアクティブなスタビや4輪操舵によって、質量をはるかに越えたドライビングパフォーマンスを成立させようというのである。