俳優・山西惇、車の中で号泣した最優秀男優賞受賞の知らせ。コロナ禍では思い詰め…「役者を辞めようと思ったこともあった」
山西さんは、9月13日(金)に公開される映画『シサム』に出演。この映画は、蝦夷地と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易を行っていた史実を基に、アイヌと和人との対立の歴史を描いた歴史スペクタクル映画。 江戸時代前期。松前藩士の息子である孝二郎(寛一郎)と兄の栄之助(三浦貴大)は、アイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしている。ある日、栄之助が使用人・善助(和田正人)に殺されてしまう。孝二郎は、復讐のため善助を追って蝦夷地へ向かう…という展開。山西さんは、孝二郎の復讐の旅の船頭・伊助役で出演している。 「僕は和人の役で良かったです。アイヌの言葉は難しくて全然わからないですよね。アイヌの役の人はずっとアイヌ語のセリフを練習していました。関連性のない言葉だから、覚えるしかない。丸暗記するしかないですからね。大変だったと思います」 ――撮影は順調でした? 「僕は殺された兄のために蝦夷地に向かう孝二郎の復讐の旅の道先案内人なんですけど、どえらい原野でした。すごいところに行くなあって思いました。それこそ『熊に気をつけてください』っていうロケでした」 ――完成した作品をご覧になっていかがでした? 「スケールがすごいなって思いました。それとあらためて、こんなところを歩いていたんだって。ドローンの映像で見ると、『こんなすごいところだったんだ、こりゃあすげえ』って。最後の戦闘シーンもかなり迫力がありましたよね。すごいなあ、いい映画だなって思いました」
――今後はどのように? 「まだやったことがないことをやってみたいなとは思います。いろいろやっていると思われていますが、やってみると、これはまだやってなかったっていうのが結構あるんですよ。海外の演出家の方でグランドミュージカルというのもやったことがないですしね。 朗読劇はコロナ禍の2020年にKERAさんの『プラン変更』を本多劇場から配信したり、『12人のおかしな大阪人』をリモートでやったことはありますけど、どちらも無観客でしたので、11月にやるリーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』も楽しみなんですよね。 京都出身ですけど、このところ関西弁で芝居をする機会も少なかったので、まずはそれがうれしい。それに30年来の旧友・羽野晶紀さんとの久々の共演、新進気鋭の岡﨑彪太郎さんとの初共演、演出は酸いも甘いも噛み分ける河原雅彦さんですから楽しみでしかないです。ウチの子どもたちにも絶対見てほしいと思っています」 これからもやったことがないことにチャレンジしていきたいと話す山西さん。妻にキーボードを教えてもらって練習しているという坂本龍一さんの『Aqua』もぜひマスターして聴かせてほしい。(津島令子)
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