出産・育児でブランクあるけど…30代女性が正社員で再就職するには
女性の転職は10年で5倍に
転職支援サービス「リクルートエージェント」を運営する「リクルート」(東京)では、同サービスを利用して転職した人のデータを公表しています。それによると、2023年度の女性の転職者数は10年前の5.09倍に増えていて、中でも契約社員・派遣社員から転職によって正社員になった女性は10年前の5.84倍に増えています。また、転職時に賃金が1割以上、上昇した女性は41.3%に上っています。 同社の熊本優子さん(HRエージェントDivisionカスタマーサービス統括部長)は「出産や育児などで一度仕事を辞めてブランクがある女性でも、パート社員や派遣社員などを経て、正社員になっていくケースが増えています。人手不足を背景に企業の採用ニーズも高まっています。企業の側も、良い人材を得るために、個々の事情に合わせて労働時間や勤務場所を柔軟に変更することもあります」と話します。 同社のキャリアアドバイザーのもとには、女性の相談者から「仕事のブランクがあるから自信がない」「特筆するスキルがない」といった悩みがよく寄せられます。こうした女性は、他人と比較する前に、自分が何に力を入れてきたか、自身の経験をひもときつつ言語化していくと、アピールポイントが見つかることも多いそうです。 「『キャリアアップして収入も増やしていきたい』などと明確な目標を持った30代女性が、70社近く応募した結果、年収70万円アップの正社員に内定した事例もありました。就職はご縁ではありますが、まず一歩を踏み出すこと。それに、就職活動には粘り強さも必要です。家事・育児経験によって、時間管理能力やマルチタスク能力が磨かれるという面もあるので、そのようなスキルをどう言語化していけるかが大切です」と熊本さんは話しています。 (読売新聞メディア局 永原香代子)