マイクロストラテジーの目標株価を245ドルに引き上げ:ベンチマークが調査報告書で
10月18日に発表された投資銀行ベンチマーク(Benchmark)の調査報告書によると、マイクロストラテジー(MicroStrategy)の株価がビットコイン(BTC)の保有量に比べて高い評価を受けていることに弱気な見方をする人々は、同社の「ユニークな」株主価値を見落としていると述べた。 「経営陣が『インテリジェントなレバレッジ』と呼ぶものを使ってビットコイン保有量から複利を生み出す能力は、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)などの代替的なエクスポージャー獲得手段とは異なる」とベンチマークのアナリスト、マーク・パーマー(Mark Palmer)氏は記している。 強気の見方を維持しているパーマー氏は、買い推奨を繰り返し、目標株価を215ドルから245ドルに引き上げた。ビットコインの価格が6万8400ドルに上昇する中、マイクロストラテジー株は18日に6.6%上昇し、206.19ドルとなった(記事執筆時点では215ドル付近で取引されている)。 マイケル・セイラー(Michael Saylor)CEO率いる自称ビットコイン開発企業の株式は、現在、保有するビットコインの価値の約2.5倍のプレミアムで取引されており、一部のトレーダーは、BTCそのもの(または現物ETF)ではなく、この株式を保有することは悪い判断だと考えている。 マイクロストラテジーの純資産価値(NAV)は、株式時価総額をビットコインの保有高で割って算出される。最近、NAVプレミアムはビットコインの保有高の2.5倍という過去最高を記録し、同社の時価総額は410億ドル(約6兆1500億円、1ドル=150円換算)を超え、ビットコインの保有高は170億ドル(約2兆5500億円)程度となっている。 ベンチマークは、マイクロストラテジーのビジネスモデルはNAVプレミアムを正当化するものであり、トレーダーは同社のビットコイン利回りに注目すべきだと考えている。セイラー氏と彼のチームが今年初めに導入した「ビットコイン利回り」は、ビットコイン保有高と完全希薄化後の株式数との比率の、時間経過に伴う変化率を測定することで、ビットコイン投資の有効性を追跡するものだ。ベンチマークのデータによると、ビットコイン利回りは9月19日時点で17.8%となっており、2022年と2023年にはそれぞれ1.8%、7.3%だった。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Michael Saylor/Danny Nelson|原文:MicroStrategy's 'Nav Premium' Shouldn't be Feared, Says Benchmark, Raising Price Target to $245
CoinDesk Japan 編集部