「渋滞中は下道のほうが速い説」は本当?渋滞予報士に聞く北関東方面の高速道路【GW渋滞予測】
間もなくやって来るGW。今年は最長で10日間の大型連休だが、遠出を考える人には高速道路の渋滞がネックになる。 ▶︎すべての写真を見る どうしたら少しでも渋滞ストレスを減らせるのか……ということで、NEXCOに直撃取材。管轄エリアの渋滞予測や渋滞回避方法、やってはいけないNG行動などを聞いてみた。
前編は、北関東エリアをカバーするNEXCO東日本・関東支社管内のルートから。同社の渋滞予報士である田中優太さんに【上り】と【下り】の渋滞ワースト3を教えてもらった。
ワースト1~3位は埼玉の「羽生PA」「高坂SA」
ここがポイント! ・【下り】【上り】ともに渋滞が集中するのはGWの終盤。 ・【下り】地方へ向かう車は朝の時間帯に出発する傾向があるため、渋滞を避けるには前日の深夜、または当日の夕方から夜にかけて移動するのが吉。 ・【上り】都心へ戻る車は夕方以降に集中する。早朝や夜中に走行するのが狙い目。
「サグ」「上り坂」がGW渋滞の原因
――ワースト1位から3位まで、同じエリアに渋滞予測が集中していますね。 埼玉の東北道「羽生PA付近」と関越道「高坂SA付近」は、東京と栃木や群馬を結ぶルートとして交通需要が高く、毎年決まって大渋滞が発生します。大型連休特有の交通量の多さが第一にありますが、「サグ」や「上り坂」という地形的要因も影響しています。 ――「サグ」と「上り坂」が渋滞にどう影響するんですか? サグというのは、下り坂から上り坂に勾配が変化するポイントですが、気付きにくいために自然と速度低下を起こします。 無意識な速度低下が連鎖を生み、渋滞につながるというロジックです。上り坂も同じです。
――サグや上り坂という地形も渋滞の要因になるとは知りませんでした。 高速道路の渋滞は交通量の多い「自然渋滞※」が7割を占めていますが、うち6割はこうしたサグや上り坂という地形的な要因に加え、「暗順応」と呼ばれる視界の調整でスピードが落ちやすいトンネルといった環境的要因が占めているんです。単に交通量が多いことが、大渋滞の理由ではありません。 ※自然渋滞とは交通事故や工事規制によらない渋滞のこと。正式には「交通集中渋滞」と呼ぶ。