明日初戦。強豪揃うコパ・アメリカに挑む森保ジャパンの勝算と意義
これは、コパ・アメリカがインターナショナルマッチウイークに行なわれるわけではなく、日本が所属する大陸の選手権ではないため、クラブに選手を派遣する義務がなく、日本代表チームに選手を拘束する権利がないため。Jリーグも開催中のため、Jクラブの協力を得て22歳以下の選手を派遣してもらったうえで、欧州のクラブが参戦を認めた選手を加えてチームを編成したというわけだ。 22歳以下といえども、FW前田大然(松本山雅)、MF三好康児(横浜F・マリノス)、MF松本泰志(サンフレッチェ広島)、DF立田悠悟(清水エスパルス)、DF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)、DF岩田智輝(大分トリニータ)、GK大迫敬介(広島)など、J1クラブでレギュラーの座を確保している選手も多く、MF中山雄太(ズウォーレ)、MF伊藤達哉(ハンブルガーSV)、DF冨安健洋(シント=トロイデン)、DF板倉滉(フローニンゲン)のように欧州クラブに在籍する選手たちもいる。 そして、なんといってもレアル・マドリードへの移籍が発表された久保建英だろう。6月9日のエルサルバドル戦でA代表デビューを果たし、ポジショニングやボールの引き出し方、相手との駆け引きや突破に非凡なものを見せた18歳が南米勢相手にどれだけやれるのか――。それも見どころのひとつだろう。 間違いなく厳しい戦いになる。だが、来年に迫った東京五輪を考えれば、これ以上ない強化の場になるはずだ。本気の南米勢と対戦できるのは、めったにない機会。22歳以下の若い選手たちが得られるものは少なくない。 さらに、昨年1月に東京五輪代表チームを結成して以来、初めてオーバーエイジとの融合を図る場にもなる。本大会の登録メンバーは18人。3人のオーバーエイジ枠も含め、メンバー争いは一層激しくなっていくだろう。今大会を機にチーム作りが一気に加速してもおかしくない。 「出場するからには優勝を目指して」と森保一監督は言うが、現実的にはノックアウトステージに進出することが大きな目標となる。 押し込まれ続けることが予想されるが、それは日本にとって悪い展開ではない。劣勢になるのは想定内。5-4-1の守備ブロックを敷いてしっかり守り、前田を先鋒役とした鋭いカウンターを繰り出して敵にひと泡吹かせる――それは決して夢物語ではないはずだ。 (文責・飯尾篤史/スポーツライター)