「メンテック」って何ですか? TENGAヘルスケアに聞く、男性特有のコンプレックスや悩みの解消
当事者の声から生まれた課題解決のプロダクト
――どんなアイテムなのか、詳しく教えていただけますか。 本井さん 容器に採取した精子をシリンジ(先端がシリコンゴムでできた注射器状の器具)に吸い上げ、膣に注入する「シリンジ法」を自宅でできるプロダクトで、一般医療機器の認定を取得しています。 一般的に、自然妊娠のためには排卵予定日の前5日+後1日の計7日間のうち、3日以上タイミングを取ることが理想とされていますが、どんなに仲がいい二人でも、現実的にはなかなかタイミングを取れない!ということも多いと思います。セックスを義務のように感じてしまうと、妊活どころかセックスレスや離婚にも繋がりかねません。 また、「セックスはしたくないけれど子どもは欲しい」「愛しているけどセックスは得意じゃない」という人もいます。それぞれにとって一番幸せなバランスを見つけるためにも、「3回に1回はこれを使ってみよう」とか「これでタイミングを取ろう」という選択肢があるだけで、お互いの気持ちもだいぶ違うのではないでしょうか。
――他にも当事者の声から生まれた製品はありますか? 本井さん 精液運搬用保温器の「SEED POD」も、不妊治療などで精液を運ぶ際に「蓋が緩んでこぼれてしまう」「精子が温度変化の影響を受けてしまう」という悩みから生まれました。当社のプロダクトは、多くの人が「どうにかならないのかな」と感じていた部分にアプローチできるものが多いと思います。 ――まさに、お互いのウェルネスにつながるツールですね。お話を伺っていると、「メンテック」といわれるカテゴリやサービスはまさに黎明期であり、ここからなのだと感じます。 本井さん おっしゃるとおり、男性の性についてとらえ直しをしていく過渡期だと感じます。ここできちんと取り組まないと、今まで以上に話せなくなってしまうでしょうから…。そして、男性の性はもちろんですが、日本ではパートナーと性やセックスについて話しづらい空気もまだまだあると思うんですよね。そこのコミュニケーションをサポートできるサービスが何かできないかなと考えているところです。 ▶︎次回は、これまで揶揄の対象とされがちだった性にまつわる悩みや課題を解決すべく生まれた「メンテック」最新アイテムやサービスについてご紹介します。 お話を伺ったのは… TENGAヘルスケア 本井はる 国内マーケティング部 グループマネジャー。お茶の水女子大卒業後に早稲田大学大学院政治学研究科でジャーナリズムコースを専攻。地方新聞社の記者職を経て、性に対する認識変容を目指し2019年1月にTENGAに入社。TENGAヘルスケアとCARESSAのブランド・製品・サービスのPRを担当。