「メンテック」って何ですか? TENGAヘルスケアに聞く、男性特有のコンプレックスや悩みの解消
「フェムテック」「フェムケア」という言葉が身近になりつつある中で、2年ほど前から時々見かけるようになった「メンテック」という言葉。この言葉の意味や社会に与える影響について、TENGAヘルスケアの本井はるさんにお話を伺いました。 【写真】「メンテック」最新アイテム ※「メンテック」という言葉が生まれた経緯や定義はまだ曖昧な部分もありますが、この記事では生物学的男性特有の健康課題を解決する製品やサービスを指す言葉として便宜的に用いています。
「メンテック」という言葉が生まれた背景
――「メンテック」という言葉は、どのように生まれたのでしょう? 本井さん 実は、言葉の起源は私たち自身も掴みきれていないのですが、「Men(男性)」と「Technology(技術)」をかけ合わせた造語で、男性特有の健康課題をテクノロジーで解決していく製品やサービスを指すものと捉えています。市場規模などにまつわる調査が複数あるフェムテックに対し、メンテックについてはまだ目立った調査がなく、黎明期といえるのかもしれません。 ――海外でも同じような状況なのでしょうか? 本井さん メンテックという言葉は見当たらないものの、アメリカを中心に、それに類するサービスや企業が盛り上がりを見せているようです。2021年には、実業家のビル・ゲイツさんが男性用ピルの研究を行うスコットランドのダンディー大学に1億9000万円相当の研究費を資金提供したことが話題になりました。 睾丸を超音波で加熱することで生物学的男性の避妊を可能にする「COSO」というデバイスも開発中のようですし、インドでは精子の郵送検査キットサービス「Kindly」が拡大しています。ビジネスにおいてもかなり注目されている分野なのかなという印象がありますね。 ――「フェムテック」という言葉によって女性の悩みや課題にようやく光が当たりはじめたタイミングで、突然「メンテック」という言葉が出てきたことは、起源が不明な点も含めて少し違和感を覚える部分もあります。なぜ今、「メンテック」という言葉が登場したのか、その背景について本井さんのお考えを伺えますか。 本井さん 特に女性は、性分野において性別による偏見や不均衡が生じやすいので、「メンテック」という言葉に対する思いは複雑なものがあるかもしれませんね。当社ではまだきちんとした調査をしていないので断定はできませんが、その一方で男性が抱える健康課題の中にも、なかなか表に出てこなかったものがあるのではないかと思っていて。だからこそ、注目されている部分もあるのかなと感じます。