たった1年で販売終了? 米国の希少車 42選 後編 「大人の事情」で打ち切られたクルマたち
ロータス・カールトン(1991年)
ロータス・カールトンは、英国ではヴォグゾール、その他の地域ではオペルから販売された。販売期間は欧州で1990年から1992年、米国では1991年の1年間だけで、正式に販売されたわけではない。そのため、米国ではアウトロー的な存在となり、発売当時は世界最速の4ドア・セダンと謳われたことでさらに評判を高めた カールトンの開発を主導したのはロータスで、最高出力377psを発生する特注のツインターボ3.6L直6エンジンを搭載。6速MTと組み合わされ、0-97km/h加速5.2秒、最高速度285km/hを誇る。最終的に950台が生産された。
フォード・マスタング・コブラR(1993年)
フォードは3世代にわたってマスタング・コブラRを生産したが、いずれも生産期間は1年だった。その中でも最も希少なのは1993年モデルで、生産台数はわずか107台と、1995年モデル(250台)や2000年モデル(300台)と比べても少ない。 コブラRの販売ターゲットは、レーシング・ライセンスを持つ顧客かモータースポーツチームのみであったため、希少性が高まるのも無理はない。車名の「R」はレースを意味する。 3世代のコブラRはマスタングSVTをベースとしており、V8エンジンのパワーを向上し、2000年モデルでは最高出力385ps、最高速度285km/hを達成する。全車クーペボディで、エンジンのパワーアップに合わせてサスペンション、ブレーキ、ドライブトレインが改良されている。
ジープ・チェロキー・リミテッド5.9(1997年)
ZJ世代のグランドチェロキーが寿命を迎えるにあたり、ジープはその最後を飾るモデルを仕立てた。標準のエンジンに代わって最高出力245psの5.9LマグナムV8が搭載され、0-97km/h加速6.8秒、1/4マイルを15.2秒で走る。 チェロキー・リミテッド5.9は、それまで米国で販売されたSUVの中で最速となった。外観上の特徴として、ボンネットのダクト、5本スポークの専用ホイールデザイン、大型マフラー、「Limited 5.9」のバッジがついている。1998年半ばに新しいWJ型が登場し、リミテッド5.9はわずか1年で生産終了した。