がんステージ4の森永卓郎さん“毎日違うヨーグルト”と“脂っこい肉”を積極的に食べる食生活で「いまは絶好調。死ぬ気がしない」 和田秀樹医師も「理に適っています」
ベジファーストより肉ファースト
好きなものを好きなだけ食べることを決意してから、森永さんは「いまは絶好調。死ぬ気がしない」と話す。長年、高齢者医療の現場に携わってきた精神科医の和田秀樹さんは、森永さんの食生活をこう評する。 「まったくもって正しいです。がんに限らず、高齢になったら基本的に体重は落としてはいけないんです。免疫力が落ちますから。 がんの場合は余計にそうで、がん細胞は普通の細胞に比べて高頻度で分裂を繰り返すので、ものすごくカロリーを消費します。だからがんになるとやせてしまう。やせると体力も免疫力も落ちて余計に病状が悪化するという悪循環です」(和田さん・以下同) 和田さんはかねてより、シニアこそ野菜より肉を食べるべきと指南してきた。 「健康のためにはベジファーストとよくいいますが、高齢になったら肉ファーストです。野菜はそれだけでお腹いっぱいになり、やせてしまう。 また、免疫力を上げたいのであれば、好きなものを食べるのがいちばんで、森永さんの姿勢は非常に理に適っています。栄養素がどうとかを考えて、医者の言うとおりにしているから先進国の中で日本だけががんが増えていると思います」 免疫力が高まれば、がんに限らずあらゆる病気のリスクが減ると続ける。 「ぼくは糖尿病も高血圧も心不全もあって基礎疾患の塊みたいな体ですが、ワインが好きだから毎日飲むし、好物の揚げものもすごく食べる。だから免疫力が高い。これまで3回ほどコロナ陽性になりましたがいずれも無症状でした」
ヨーグルトが免疫細胞を活性化
毎日のヨーグルトも、森永さんの健康に寄与している。整腸効果が高く、腸活の代表食品であるヨーグルトは免疫力を高める効果についても期待されている。 「免疫学者によると、ヨーグルトには免疫細胞であるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させるという研究がある。NK細胞は、がん細胞も殺すといわれています。 ぼくも毎朝食べてますよ。朝食の定番はスパイスをかけたヨーグルトです。スパイスには血管拡張効果があるので、血流をよくするために摂っています。腸内細菌を整えるというヨーグルトもあれば、免疫力を活性化させると謳っているのもあるわけで、いろいろな種類を取り入れる方が、健康効果はより望めるかもしれません」 森永さんのお気に入りは、700gで3500円と高価だが、ヨーグルトの善しあしは価格ではない。 「値段が高いほどいいヨーグルトかといったら、そうとは限らないと思います。森永さんが実践されているように、違う種類のものをいろいろ食べてみるのがいいんじゃないでしょうか」 好きなものを自由に食べるという生き方には、当然リスクも伴う。森永さんも、「やりたい放題やって自由に生きることで、寿命が短くなる可能性もある」と、自身の食生活はあくまで個人の判断だと話す。
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