「大江戸温泉物語」湯快リゾートとブランド統合 全国で67施設に拡大 日本人旅行客をターゲットにした戦略 橋本啓太社長に聞く【Bizスクエア】
――都市型の温泉テーマパークから、地方の温泉旅館再生に、転換したきっかけは? 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長: お台場の事業は一事業だった。今後この温泉を活かしてどういう事業をやっていくべきかと。地方でスーパー銭湯をやるのもありだとは思っていた。その時、大きな宿泊施設の国有財産を民間へ売却していく話があった。ちょうどそういう話をもらってそれがきっかけとなって、築年数がある程度たったものを取得して、現代の温泉旅館に作り変えていくことが始まった。 大江戸温泉物語は、鬼怒川観光ホテルの他にも、栃木県のホテルニュー塩原や、大阪府の箕面観光ホテルといった老舗ホテルを買収し、再び人気ホテルへと生まれ変わらせた。 ――高度経済成長期に建てた建物が多く、継続的に投資をする負担はないのか。 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ 橋本啓太社長: 投資回収年数はかなり短く設定している。客のニーズは5年周期で変化すると思っている。短期で投資回収をして、ニーズに対応している。(新規で物件を建てることは)基本やらない。我々は居抜き中古物件を大体交渉が始まって約6か月で取得する。取得からリニューアルの期間も約5か月。その分、イニシャル(初期投資)のコストもぐっとかなり低くなる。新築の5分の1とか6分の1になる。 大江戸温泉物語のホテルは、1泊1万円から泊まれるスタンダードと、ラウンジでのアルコールが無料になるワンランク上のプレミアム、そして上位ブランドの「TAOYA」などに分かれている。 「仙台の奥座敷」と呼ばれる宮城県の秋保温泉に2023年にオープンした「TAOYA秋保」。1625年に開業の老舗旅館「岩沼屋」を買収し改装した。 「ゆったりと、たおやかに。」をコンセプトにしたTAOYAでは、アルコールを含むホテル内でのドリンクなどが宿泊費に含まれる「オールインクルーシブ」となっている。 宿泊客は「飲み放題で、(料金を)気にしないで飲める」「最高。めっちゃいい」。