ラッセルの最低重量違反……その原因は”1ストップ”にあった? ウルフ代表「タイヤがかなり減ってしまっていたかもしれない」|F1ベルギーGP
F1ベルギーGPの決勝レースで、上位勢で唯一1ストップを成功させてトップチェッカーを受けたジョージ・ラッセル(メルセデス)は、レース後の重量計測でマシンがレギュレーションで規定されている最低重量を満たしていなかったことが発覚。失格となった。 【リザルト】ラッセルまさかの失格:F1ベルギーGP決勝結果 この原因についてチーム代表のトト・ウルフは、1ストップ作戦でレースを走り切ったことにより、タイヤのゴムが想像以上の摩耗してしまったことが原因ではないかと考えているようだ。 ラッセルは1ストップで44周のレースを走り切り、最後はチームメイトであるルイス・ハミルトンの猛追を僅か0.5秒凌ぎ切り、トップチェッカーを受けた。しかしレース後の計量で、ラッセルのマシンが最低重量として規定されている798kgを1.5kg下回っていたことが明らかとなり、スチュワードはラッセルを失格処分とした。これによりハミルトンが優勝を手にすることになった。 スチュワードによる調査結果が発表される前、ウルフ代表は記者団に対して次のように語っていた。 「彼は1ストップだった……だからタイヤのゴムがかなり減るかもしれない。言い訳はできないが」 前述の通りラッセルは、上位勢では唯一1ストップでレースを走り切った。フィニッシュ時に履いていたタイヤは、34周を走ったハードタイヤ。ハミルトンがフィニッシュ時に履いていたタイヤよりも、16周も長く走ったモノだった。この16周多く走ったことでタイヤのゴムがその分多く摩耗し、車両の最低重量を下回ることになったのではないかと、ウルフ代表は考えているのだ。 「スチュワードがレギュレーション違反だと判断するならば、それは仕方ない」 ウルフ代表はそう付け加えた。 「我々は今回のことから学ばなければいけない。チームとしては間違いなく、今回のラッセルにはポジティブなことがあったのは明らかだ。でも、子供の頃からレースで勝つのが夢だったドライバーにとって、その夢が奪われたのは大きな痛手だ」 「でも彼は今後、もっとたくさん勝つだろう」 ラッセルの失格が正式に発表されると、メルセデスは次のように声明を発表した。 「我々は失格を受け止めなければいけない」 「我々は明らかにミスを犯した。そこから学ぶ必要がある」 「我々は何が起きたのかを評価し、何が悪かったのかを理解するつもりだ。1-2を失うのは悔しいし、力強いレースをしてくれたジョージには謝罪するしかない」 「ルイスが優勝に繰り上がる。2ストップ勢で最速だった彼は、当然勝者に相応しい」 「失格となったにも関わらず、今週末のことから得られるポジティブな部分はたくさんある」 「今日のレースでは、ふたつの異なる戦略で、ベンチマークとなるマシンが我々にはあった。ほんの数ヵ月前にはそんなことは考えられなかった」 「直近4レースのうち3レースを制し、夏休みに入る」 「夏季のシャットダウンが明けた後に元気を取り戻し、ポジティブな流れを維持することを目指して、戦いに戻ってくるつもりだ」
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