【ソフトバンク】FA石川柊太の判断材料は条件より殺し文句「『来てほしい』ということが伝わってくるのを大事に」
決め手は、殺し文句―。ソフトバンクの石川柊太投手(32)が7日、みずほペイペイ内の球団事務所を訪れ、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権の申請書類を提出した。「自分が野球界でどう評価されているのか。選択肢が広がるところに価値がある」と多くの球団と交渉するつもり。その上で、来季所属先を決める判断材料として、条件提示よりも、誠意ある言葉がカギになると訴えた。 「過去にFAで他球団に行った人たちを見ると『あのひと言が刺さった』というのがある。自分は年齢も年齢ですし、東京出身の要素もあるが、そうじゃない要素が出てくる可能性もあると思っている。『来てほしい』ということが伝わってくるのを大事にしたい」 契約年数がそこまで長期ではなくても、関東の球団ではなくても、胸に迫る「ひと言」があればサインするというのだ。 もちろん宣言残留の可能性もある。「(ソフトバンクの)誠意は伝わっている。不満だから宣言するわけではない」。既に今季年俸1億2000万円から大幅増の複数年契約を提示されている。人的、金銭ともに補償不要のCランク(年俸順位日本人11位以下)とみられる20年の最多勝と最高勝率の2冠右腕。どの球団がハートを射抜く殺し文句を繰り出すか。(田中 昌宏) ★過去のFA交渉での口説き文句 ▼93年・槙原寛己(巨人残留) 巨人・長嶋監督(背番号と同じ17本のバラを携え)「君の力を必要としている」 ▼96年・清原和博(西武→巨人) 巨人・長嶋監督「思い切って僕の胸に飛び込んでほしい」「夢が(背番号)3番というなら、いいでしょう」、阪神・吉田監督「縦ジマのユニホームを横ジマにしてでも」 ▼00年・新庄剛志(阪神→メッツ) 横浜・大堀球団社長「自分の顔を鏡で見れば、どのチームが似合うか分かるはずだよ」 ▼02年・金本知憲(広島→阪神) 阪神・星野監督「迷ったときは、前に出ろ」 ▼18年・丸佳浩(広島→巨人) 巨人・原監督「ジャイアンツに新しい血を入れてほしい」
報知新聞社