横浜DeNAは今季スローガン「横浜反撃」を成就できるのか…OB高木豊氏は「Aクラス入りは確実」
戦力補強では“右の大砲”大田が加わったことで、佐野、桑原、オースティンで固定されている外野陣と代打陣に厚みが増した。定位置獲得は難関だが、本人は「ジャイアンツ、ファイターズではライバルのことを強く思い過ぎた。自分の色を出して納得できるようにやればいいという考えに変えて楽になった」と言い、3割、30本」を目標に掲げる。狭いハマスタは、大田の再覚醒を助けるだろうし、長いシーズンを考えると、レギュラメンバーの故障や不調は避けて通れず、大田という駒がプラスされたことは大きい。 加えて球団OBの“職人”藤田一也も楽天から10年ぶりにチームに復帰した。 VTRで出演した藤田は「チームのために全力を尽くす」と語ったが、高木氏は「人間的に素晴らしい。存在感がチームに安心感を与える」と評価。現役時代にプライベートでも可愛がっていたという三浦監督も「外で大きくなって成長して戻ってきた。選手としても人間としても横浜DeNAに大きなものを持って帰ってきてくれると思う」と言う。 昨年はまだ主軸を任されて2年目の佐野一人に負担がかかり、苦しいときにチームをまとめるベテランがいなかったが、藤田には、勝負強いバッティングと共に、その役割が期待される。 高木氏は若きショートストップ、森へ「藤田のノックを後ろで見て真似るだけで上手くなる」と話しかけた。チームに波及効果が生まれる可能性がある。 また抑え候補の新外国人としてヤンキース、オリオールズに在籍した190センチの長身右腕のブルックス・クリスキーを獲得した。 そして特筆すべきは首脳陣の“豪華補強”だろう。野手総合コーチに石井琢朗、打撃コーチに鈴木尚典、チーフ投手コーチに斎藤隆、バッテリーコーチに相川亮二というベイスターズのレジェンドたちが新しくコーチ陣に名を連ねた。 「生え抜きのOBはチームへの愛情がある。愛情がチームを育て勝利に導く。選手は、兄貴が帰ってきたという感じでつっかかっていって欲しい」と高木氏。三浦監督も「しっかりと連携を取りながら任せるところは任す」と強化されたスタッフに期待を寄せている。 昨年は最下位に終わったが、打撃10傑に上から牧秀悟(3位)、桑原将志(5位)、佐野恵太(6位)、宮崎敏郎(7位)と4人が並び、そこにオースティン、ソトが開幕から揃う打線は、セ・リーグでも屈指の打線だろう。二遊間がウイークポイントだったが、新人の牧が“超ド級”の活躍を見せ、今季は「打率3割」をテーマとする森がショートの定位置獲りに名乗りをあげる。 投手陣も三浦監督が「開幕の有力候補」という今永がスタートからいることが大きいが、ブルペン陣には不安が残る。三嶋一輝でスタートしたものの不安定だったクローザーに誰を指名するのか。復活を誓う山崎康晃なのか、新外国人のクリスキーなのか、それとも中継ぎ陣から成長株が出てくるのか。ここは、キャンプでの底上げと見極めが必要になってくる部分。 三浦監督も「キャンプではチームとして、これというものを明確にしないといけない」と考えている。 昨年は、セパ共に前年度の最下位チームが優勝を果たした。高木氏が予想するように「横浜反撃」を旗印に2年目を迎える三浦ベイがAクラス入りして優勝戦線に顔を出す条件は揃っている。 (文責・論スポ/スポーツタイムズ通信社)