JR貨物、全列車一時停止 データ改ざん、荷物に遅れ
JR貨物は11日、列車の車輪に車軸を通す作業で、日本産業規格(JIS)で定められた基準値を超える圧力をかけていたのにデータを改ざんするなどの不正があった問題を受け、正午前から全ての貨物列車の運行を一時停止したと発表した。全面停止は極めて異例。午後5時ごろから順次、運行を再開したが、ヤマト運輸と佐川急便は地域によって荷物の配達に遅れが生じると発表した。 国土交通省は11日、鉄道事業法に基づきJR貨物を立ち入り検査した。輪西車両所(北海道室蘭市)、川崎車両所(川崎市)、広島車両所(広島市)に立ち入った。安全管理体制を調べ、行政処分や指導を検討する。 JR貨物によると、不正を確認するなどした機関車4両と貨車560両のほかに、新たに貨車300両でも不正の可能性が判明した。安全が確認できた列車から順次、運行を再開した。物流への影響を抑えるため、貨車1両当たりの積載量を増やすなどして対応した。