ミニ・クーパー:英国車のアイコン ランドローバー・レンジローバー:醸し出す特別感 誇らしきUK製モデル(1)
英国は自動車大国 誇るべきモデルたち
最近は悪いニュースしか聞こえてこない、とお嘆きの読者は多いかもしれない。国内政治に誠実さは欠け、世界は武力的な駆け引きばかり。だがクルマの話題なら、そんなことはない。単に気分を晴らせる、というだけでもない。 【写真】誇らしきUK製モデル ミニ・クーパーにレンジローバー・イヴォーク、トヨタ・カローラほか (179枚) 政府機関の発表によると、英国の自動車産業の売上高は、2022年は780億ポンド(約1兆5132億円)だった。だが、2023年は930億ポンド(約1兆8042億円)へ確実に成長している。英国は、今でも自動車大国だといっていい。 現在の製造業で、これ以上の経済規模を有するのは食品産業のみ。この土地では、誇るべきモデルが沢山生産されているのだ。今回は、その中でも身近な存在の5台を再確認してみたいと思う。
ミニ・クーパー:英国車のアイコンの1つ
英国車のアイコンの1つといえるのが、ハッチバックのミニ。最新世代は、内燃エンジンと電気モーターの2種体制になり、滑らかなスタイリングをまとう。今回お借りしたアクアマリン・ブルーのクーパー Sは、その前者。5台の中でも、ひときわ目を引く。 丸っこく小さなボディのフロントに、大きく瞳を開いたようなヘッドライト。運転すれば、見た目と同じくらい楽しい。多くのユーザーを魅了してきた理由を、端々から感じられる。 BMWが1997年のフランクフルト・モーターショーで復活させたミニの特徴も、しっかり現代へ受け継がれている。小さくてもプレミアム。コンパクトカーでも上級指向が成り立つことを、ミニは証明してきた。 今回の試乗場所に選んだのは、グレートブリテン島中部、ウォリックシャー州ゲイドン。2.0Lガソリンターボ・エンジンは軽快に回り、交通量の少ない郊外の道を爽快に駆け抜けられる。 ステアリングは、例によってクイック。動力性能に不足はなく、身のこなしは機敏。これも、ミニが人気な理由の1つだろう。 パーソナライゼーションの幅広さも、BMWが刷新させた時から変わらない強みといえる。ボディカラーだけでなく、自分好みのインテリアへ仕上げる喜びがある。成功の方程式は、最初から完成していた。