“裸足に近い”ソールで怪我を軽減 アメリカのランシューブランド「ALTRA(アルトラ)」
「ゼロドロップ」ソールのメリット
ーかかとが高いことによるデメリットを教えていただけますか? こう考えてもらうと分かりやすいかもしれません。女性がハイヒールを履くと、重心を保とうとして、膝や腰、首などに負荷がかかりますよね。履き心地こそ違いますが、かかとの高いランニングシューズでも、同じような体勢になっていたり、負荷がかかっていたりするということです。 この負荷をどのように軽減するのか、私たちはランニングフォームと運動生理学に重点を置いて研究し、生まれたのが「ゼロドロップ」ソールです。
ー「ゼロドロップ」とはどういうソールでしょうか? 「かかとと前足部との高低差=ドロップ差」をゼロにしたソールのことです。既存のランニングシューズのようなクッション性はありながらも、裸足で走っているような体勢をキープできる、これまでのシューズと裸足との中間の靴だと思ってください。この靴を履くと体に負荷をかけない正しい走り方をすることができます。
ーなぜゼロドロップだと正しい走り方ができるのでしょうか? かかとが高い靴の場合、かかとが地面に最初に接地しやすくなります。つまり「かかと着地=ヒールストライク」になりやすい。ところがゼロドロップシューズであれば、かかとが地面に引っかかることなく、足裏全体で着地をすることができるため、体に伝わる衝撃と圧力が軽減されるのです。 たとえば、かかと着地でジャンプをしてみてください。次に足裏全体着地でジャンプをしてみてください。どちらが体に衝撃があるか体感できるでしょう。足裏全体で着地をするというのは、体に負荷をかけない自然な走り方ということです。
足指の動きを妨げない幅広のフットシェイプ
ーALTRAのもうひとつの特徴といえば、ワイドなつま先のデザインですよね。 これも自然な体の使い方ができるように計算されたものです。本来、地面に着地をしたときに足の指は圧がかかって広がり、足全体で衝撃を吸収しようとします。ところがつま先が狭いと指が広がらず、衝撃を吸収することができません。そこでほとんどのブランドは、土踏まず部分を人工的にサポートすることで、衝撃を和らげようとします。 ですが、足の指が本来の動きをすることができれば、アーチサポートは必要ありません。幅広いフットシェイプは、足の指の動きを妨げないため、自然な安定性を得ることができるのです。