不便だが、それで良い。リコーのオールドコンデジで再確認した最新カメラとは違う写真の楽しみ方
“あの頃”の気持ちを思い出すようにポートレート撮影をしてみる
「GR DIGITAL II」を購入した当時、筆者は大学生でした。再びこのカメラを手にすると、あの頃の青春のような、懐かしい気持ちが蘇ってきます。そんな学生時代の感覚を思い出すようなイメージで、ポートレート撮影をしてみました。 顔認識AFのようなハイテク機能はなく、基本的にマルチAFに任せ、絞り優先オートで撮影しています。片手でカメラを構え、ピントが多少ずれていても気にしないラフなスタイル。 「GR DIGITAL II」のオート設定はISO感度を低めに抑える傾向があるため、やや暗い室内ではシャッタースピードが遅くなりがちです。 シャッタースピードが遅いため、ラフに撮影すると手ブレや被写体ブレが起こることもありますが、それもまた味わいのひとつ。「GR DIGITAL II」にはポップアップフラッシュが搭載されており、手軽にフラッシュ撮影を楽しめますし、どこか「写ルンです」のような雰囲気が漂います。 28mmの画角は狭い室内でも撮影しやすく、気軽に使える点が魅力です。 人物を撮影する際は、テンポよくパシャパシャと撮るスタイルなので、「GR DIGITAL II」でRAW撮影をしていると若干ストレスが溜まります。なぜなら、大体2枚撮影すると、書き込み待ちで撮影がストップしてしまうから。 人物撮影では撮りたい瞬間を逃すこともありますが、慣れてくるとフィルム撮影時のように、無駄に撮らない意識が芽生えてきます。仕事で使うなら、ストレスが最高潮に達するかもしれませんが、「趣味カメラ」としてはその不便さもまた楽しみのひとつです。 街中でのスナップは、GRの真骨頂。28mmの広角は、人物と風景を一緒に収めるのに最適です。ロケーションを探しすぎず、適当に歩きながら目に入った場所で撮影するスタイルがおすすめ。 ラフな撮影がGRにぴったりで、被写体との距離感が自然に伝わってきます。