セブン‐イレブンが米国で新標準店舗を拡大 インフレに対抗、値ごろ感訴求も強化
北米でコンビニ事業を展開するセブン-イレブン・インク(SEI)のジョセフ・マイケル・デピントCEOは、10月24日開催したセブン&アイ・ホールディングス「IR DAY 2024 Autumn」で新標準店舗を2025年に125店舗、27年には500店舗以上に拡大していく考えを明らかにした。 SEIが成長の柱に掲げる4つの施策の中の店舗ネットワークの拡大・強化の一環。 同社では、セルフレジやレストランなどの最先端プラットフォームを実験的に導入した「エボリューション・ストア」(進化型店舗)を展開中。新標準店舗はエボリューション・ストアから学びを取り入れたものとなる。 デピントCEOは「エボリューション・ストアでのお客様のフィードバックは非常に分かりやすいメッセージだった。お客様は、より大型のコンビニを求めフードを重視。さらにイノベーションがあり、デジタル体験やカスタマイズした買い物体験ができ、ガソリンスタンド併設を望まれている」と説明する。 新標準店舗により平均日販の増加を見込む。 上期(2月期)の新標準店舗の平均日販は、従来型の店舗と比べ13%増の6308米ドルを記録。4年後には新標準店舗で8219米ドルの平均日販を見込む。 店舗網の拡大は、自力での拡大ほかM&Aを積極的に検討する。 「米国のコンビニ業界は、63%が1店舗から10店舖以下の小規模事業者で構成されており、米国トップ10コンビニチェーン合計の市場シェアは20%以下という非常に細分化された業界」との見方を示す。 オリジナル商品の成長も施策の柱に位置付け「革新的で高品質なアイテムを品揃えに追加していく。特に現在の環境下においては、価値を提供することが非常に重要」と意欲をのぞかせる。 インフレが進む中、価値とは値頃感を含めたものとなる。チップスとドリンクとの組み合わせ、あるいはグリルとドリンクの組み合わせを3~5米ドルで販売する“バリューオファー”を推進していく。 「効果は徐々に表れており、この4か月のトレンドは改善傾向にある。10月の実績としては横ばいか微増で推移している」と語る。