フォーミュラEシーズン10が開幕。初戦メキシコE-Prixはポルシェのパスカル・ウェーレインが完勝
1月13~14日、2023/2024年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10の開幕戦メキシコE-Prixがアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開催され、パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)がポール・トゥ・ウインで自身5回目の優勝を飾った。 【写真】2023/24年フォーミュラE第1戦メキシコE-Prix 決勝レースの様子 2014年9月に上海E-Prixから選手権が始まったフォーミュラEは、今年で早くも10年目のシーズンを迎えた。昨季シーズン9には新型シャシー“Gen3”が導入されたことで、より激しく高度なレースが繰り広げられるようになっている。 開幕戦の舞台となったアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは、F1が開催される場としても知られ、市街地コースを主戦場とするフォーミュラEにとっては数少ないクローズドサーキットのひとつだ。 まず決勝レース前に行われたデュエル形式の予選を制したのは、パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)。フロントローには、セバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)が続いた。 迎えた決勝は、トップ集団がクリーンなスタートを見せ、順位をそのままにレースを開始する。ポールスタートのウェーレインは好調なペースで、徐々にギャップを築いていく展開に持ち込んでいく。 フォーミュラEのレースでは、特定のコーナーに設定されたエリアを通過することで、モーター出力を50kw向上させることができる『アタックモード』の使用が義務付けられており、合計8分間のモードを2回に分けて使用することになっている。 首位を走るウェーレインは、ライバルに先行して2回のアタックモードを使用し、逃げ切る戦略に出る。9周目には、14番手を走っていたロビン・フラインス(エンビジョン・レーシング)がターン17でクラッシュしてしまい、セーフティカーが導入された。 レースは12周目に再開。トップは2番手スタートのブエミ、その真後ろに続くのはウェーレインだ。ブエミは最後のアタックモードを使用し、ウェーレインが首位に再浮上、すぐさまペースを上げてギャップのコントロールを開始する。 トップを快走するウェーレインは、2.4秒差までそのリードを広げる。2番手のブエミも、ペースを上げて対抗するが攻め入る隙見いだせず。両者はエネルギー残量の表示が0.0%になるまでアタックを続け、最終的には1.162秒差で、ウェーレインが先頭でチェッカーフラッグを受けた。 ウェーレイン、ブエミに続く3位には、4番手からスタートしたニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)が入り、早々にアタックモードを完了する戦略が奏功してポジションアップに成功し、チーム移籍初戦で表彰台を獲得した。 日本から参戦する唯一のチームであるニッサン・フォーミュラEチームからは、サッシャ・フェネストラズが9番手、オリバー・ローランドが20番手からスタート。アタックモードの使用戦略やエネルギーマネジメントによって大きく順位が変動していく中団勢を争い、最終的にローランドは11位、フェネストラズは12位でレースを終えている。 ダブルヘッダーレースとなる第2/3戦ディルイーヤE-Prixは、1月26~27日にサウジアラビアで開催される。 ■2023/24年フォーミュラE第1戦メキシコE-Prix 順位結果 Pos./No./Driver/Team/Time/Gaps/Grid 1/94/P.ウェーレイン/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/50’15.506/1 2/16/S.ブエミ/エンビジョン・レーシング/1.162/2 3/37/N.キャシディ/ジャガーTCSレーシング/2.079/4 4/7/M.ギュンター/マセラティMSGレーシング/5.780/3 5/9/M.エバンス/ジャガーTCSレーシング/13.064/5 6/25/J-E.ベルニュ/DSペンスキー/13.405/10 7/5/J.ヒューズ/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/13.916/6 8/2/S.バンドーン/DSペンスキー/14.392/8 9/1/J.デニス/アンドレッティ・フォーミュラE/14.767/14 10/17/N.ナト/アンドレッティ・フォーミュラE/15.312/13 11/22/O.ローランド/ニッサン・フォーミュラEチーム/15.485/20 12/23/S.フェネストラズ/ニッサン・フォーミュラEチーム/15.718/9 13/48/E.モルタラ/マヒンドラ・レーシング/16.214/15 14/8/S.バード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/20.600/11 15/21/N.デ・フリース/マヒンドラ・レーシング/23.665/22 16/18/J.ダルバラ/マセラティMSGレーシング/28.969/17 17/51/N.ミューラー/ABTクプラフォーミュラEチーム/29.424/12 18/33/D.ティクトゥム/ERTフォーミュラEチーム/1’14.758/21 19/11/L.ディ・グラッシ/ABTクプラフォーミュラEチーム/DNF/19 20/3/S.セッテ・カマラ/ERTフォーミュラEチーム/DNS/18 21/4/R.フラインス/エンビジョン・レーシング/DNF/7 22/13/A.F.ダ・コスタ/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/DNF/16 [オートスポーツweb ]