『赤い悪魔』が増殖!生態系を壊すアメリカザリガニ駆除現場にカメラが密着 捕獲したザリガニは“特製フレーク”にして魚の餌に!?
私たちの身近にいる“ヤバイ外来生物”に農家の人たちは頭を悩ませています。外来生物の脅威になすすべはないのでしょうか。 【写真で見る】卵には毒 稲の苗を食い荒らす“侵略者”ジャンボタニシ
「うちの田んぼも食害された」 “侵略者”ジャンボタニシ
奈良県大和郡山市。農業が盛んなのどかな地域に“ある危機”が迫っているといいます。 (農家 山田和彦さん)「ジャンボタニシを見ているんですよ。ここ最近増えてきましてね」 田んぼにいたのは、ゴルフボールほどの大きさをした丸い物体。触覚をくねらせ動いています。外来生物のジャンボタニシ(正式名称:スクミリンゴガイ)です。南米が原産で、1980年代に食用のため台湾から輸入。一時は各地で養殖もされ、試食会が開かれるなど人気を博しました。しかし… (山田和彦さん)「この辺が食べられたあとかなと思うんですけどね。ちょっとはげているところ。(手の)施しようがない」 大切に育てた稲の苗を食べるというのです。確かに、田んぼの一角がぽっかりと…。出荷に響くと嘆きます。さらに… (山田和彦さん)「こういう苗の間にも卵を産んでいる」 (記者)「あのピンクのですね?」 毒々しいピンク色の卵。“PV2”という神経毒を持ち、素手で触れないといいます。 今年、ジャンボタニシは特に多いそうで、取材班が探してみると… (記者)「いましたね、ここにも。ジャンボタニシいました」 (山田和彦さん)「『やられた』という感じやね。うちの田んぼも食害されたなと」
『農家の敵、害虫や』夏に急増する“赤い悪魔”アメリカザリガニ
ただ、この夏、猛威をふるう外来生物は、ほかにも。カメラを仕掛けたカゴを水中に沈めると、一瞬見えた赤い影。そう、その外来生物というのは、アメリカザリガニです。今、各地で怒りの声が上がっています。 【SNSの投稿内容より】 『田んぼの畔を破壊してくるから腹立ってしょうがない』 『農家の敵、害虫や』 夏の時期に急増するアメリカザリガニ。その繁殖力の強さで、生態系を壊すといいます。田んぼの畔に穴を開けるため、水漏れし、農業に被害を与えることも。去年6月には「条件付特定外来生物」に指定され、飼育したものを野外に逃がすなどした場合に、重い罰則(最大3年以下の懲役か300万円以下の罰金)が設けられました。しかし、今も各地で目撃が後を絶ちません。