『孤独のグルメ』が放送12年目に大変化…!「飯テロドラマ」の新企画が賛否両論のワケ
好調だからこそ「風呂敷を広げる」
今年7月に行われた「『孤独のグルメ』プロジェクト」の会見で、松重は自ら映画化を提案したことを明かしていた。 シリーズの長寿化によってスタッフが入れ替わり、若返りつつあることから、「彼らを成長させたい」という思いからの提案だったようだ。さらに松重はシリーズ10作の節目を迎えたこともあって、「それならこの際、風呂敷を広げたほうがいい」と考えて映画化を提案。2025年1月10日に『劇映画 孤独のグルメ』として公開される。 同映画では、井之頭五郎が究極のスープを求めてフランス・パリへ。エッフェル塔の前で「腹が……減った……」という決めゼリフつぶやく予告映像が公開されている。松重自身が監督・脚本・主演のすべてを務めたことも含め、いまなお右肩上がりで支持を集める中、「ここで大勝負をしよう」という狙いが見て取れる。 大幅な変化を加えてきた今秋の『それぞれの孤独のグルメ』も「大勝負」の1つだろう。井之頭五郎も登場するがここでは脇役であり、さらにタクシー運転手、看護師、相撲行司、熱波師など、さまざまな職業の主人公が週替わりで登場し、それぞれのストーリーが盛り込まれている。 しかし、ネット上には否定的な声が決して少なくない。「ストーリーが邪魔」「食べてるだけでいい」「井之頭五郎でないと」「マンネリでいいのに」などの声を見る限り、別作品に見えてしまうという人が多いのではないか。「庶民のグルメを1人で食べる」というコンセプトと演出はこれまでの『孤独のグルメ』からほぼ変わっていないだけに、それだけ井之頭五郎と松重豊の存在とポジションが大きいのかもしれない。 同作に限らず変化を加えた新企画には「本体のスケールを広げ、マンネリを避けられる」、さらにドラマなら「多彩なキャストをゲストとして迎えられる」というメリットがある。ただ、これほどの人気シリーズになれば、変化を嫌う声があがりやすいのは間違いないだろう。