「ほぼノーマル」なのに……マツダCX-5のポテンシャルが驚異! マツダ車を知り尽くす社員夫婦コンビがラリーで2戦連続2位を達成
CX-5がラリー北海道で連続2位入賞
全日本ラリー選手権・第7戦「ラリー北海道」が、9月6~8日、北海道帯広市を舞台に開催。同ラリーでは激しいタイム争いの末、シュコダ・ファビアR5を駆る新井大輝選手が最高峰のJN1クラスで今季5勝目を獲得し、チャンピオンに輝いたが、それ以上に注目を集めていたのが、マツダのSUV「CX-5」だといえるだろう。 【写真】SUVで北の大地を駆け抜ける! 全日本ラリーに出場したマツダ CX-5(全18枚) 同マシンのターゲットは全日本ラリー選手権と併催されたXCRスプリントカップ北海道の第4戦で、全日本ラリー選手権の第6戦およびXCRスプリントカップ北海道の第3戦として7月5~7日、北海道ニセコ町で開催された「ラリー・カムイ」でCX-5はラリー競技にデビュー。 ラリーオペレーションを担当したチームはTCP-MAGICで、マツダで開発テストを担う寺川和紘選手がドライバー、寺川選手の奥さまであり、自身もマツダでエンジニアを担う石川美代子選手がコ・ドライバーを担当しており、デビュー戦となったラリー・カムイではXC-2クラスで2位に入賞していた。 約8週間のインターバルを経て開催された参戦2戦目となるラリー北海道では、引き続きTCP-MAGICがラリーオペレーションおよびサービスを担当。 当初、ドライバーには“マッド・マイク”の異名をもつドリフト競技のスペシャリスト、マイケル・ウィディット選手が石川選手とコンビを組んで参戦する予定だったが、諸般の事情により、ラリー・カムイと同様、寺川選手/石川選手のコンビが111号車「TOYO TIRE MAZDA CX-5」で国内屈指のハイスピードグラベル戦にチャレンジすることとなった。
足まわりやエンジンマウントを強化
気になるマシンの仕様も前戦と同様にロールケージ、サスペンション、ブレーキパッド、アンダーガード、そしてシートを除けばノーマルの状態。前戦からの変更点もエンジンマウントの強化および18インチから17インチへのホイールサイズの変更、さらにトーヨータイヤの装着モデルがオープンカントリーのA/TからR/Tへ変更した程度で、大幅なアップグレードは行われていない。 しかし、2戦目ということもあって、セットアップの熟成および寺川選手のドライビングの精度が上がってきたのだろう。寺川選手/石川選手にとってラリー北海道は初挑戦のイベントだったが、111号車「TOYO TIRE MAZDA CX-5」は、7日のレグ1から素晴らしい走りを披露していた。 まず、オープニングのSS1で寺川選手/石川選手がベストタイムをマークすると、SS2およびSS3で2番手タイムをマーク。さらにSS4で111号車「TOYO TIRE MAZDA CX-5」は、この日2回目となるSSウインを獲得したほか、SS5でもベストタイムをマークし、レグ1をXC-2クラスの2番手でフィニッシュしていた。 「ラリー北海道は初めてなんですけど、タイヤをR/Tにしたことでグリップがよくなっていました。それに前回のラリー・カムイから大幅な変更は行っていないんですけど、エンジンマウントの強化を含めて信頼性が上がっていたので路面のいい状態では走りやすかった」と寺川選手は好感触。 その勢いは8日のレグ2でも健在で、寺川選手/石川選手の111号車「TOYO TIRE MAZDA CX-5」はコンスタントな走りを披露していた。SS9、SS10で2番手タイムをマークすると、SS11で大会4回目のSSウインを獲得。寺川選手/石川選手はラリー・カムイに続いてXC-2クラスで2位入賞を果たし、2戦連続で表彰台を獲得したのである。 「路面が荒れてくると厳しかったので、抑えて走っていました。それに、ここからタイムアップを狙うとなると、足まわりの熟成も必要になると思いますが、CX-5のポテンシャルを感じることができました」と寺川選手は手応えを語っているだけに、今後もCX-5のラリーシーンでの動向に注目したい。
廣本 泉