阪神の連覇を止めるには、全員がいかに状況を理解し行動するかです【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】
明けましておめでとうございます。このコラムを読んでもらうときには1月10日くらいになっておりますが、今年1年もなにとぞよろしくお願いいたします。 【選手データ】山崎伊織 プロフィール・通算成績 さて新春に合わせたテーマを何にしようかと思っています。やはり2024年の一発目ですから、阪神にストップをかけるチームはどこだ? というところを焦点にします。実力、チーム力を考えるとやはり巨人になるのかな、と思います。昨年1年間、コーチとして携わったということは抜きにしても、阪神を止められるのは巨人かな、と。 そのためにはまず、投手力の整備が大事になってきます。昨年は先発投手が2、3点を先に取られると、負けてしまうかな、という雰囲気が多少なりともありました。今年はしっかり整備して、2、3点を奪われても打線が頑張れば試合をひっくり返せるという気持ちにさせる投手陣になってほしいです。 昨年後半になり、山崎伊織や赤星優志が素晴らしい投球をし始めました。彼らが先発を1年間守り通してくれたら、それなりの戦いができると思っています。特に伊織に関しては、戸郷(戸郷翔征)とともにローテの柱になる、いや日本のエースになってもおかしくない逸材です。 調子のいいときの腕のしなりなどはほれぼれしてしまうほど。ただ調子の悪いときは球離れが早くなり、簡単に打たれることがあります。多分、まだ体幹が出来上がっていないのかなと思っていますが、それがこのオフでしっかりと出来上がってくれば、かなりの投球内容を見せてくれると思っています。 そしてもう一つは、気遣いでしょうか。プロ野球選手は個人事業主なので「まずは自分の成績を挙げること」が大事で、それが1つになったときにチームがまとまると言われています。でも私はそうかな? と思っているんです。優勝するチームには「周りを見て、自分が何をすべきか」を考えられる選手が多いと思っています。 巨人では、そう思える選手が何人出てくるかで優勝争いに加わるかどうかが決まると思います。それは何も巨人に限ったことではないです。これ自体は、ほかのチームも同じことが当てはまります。ただ、巨人には優勝を経験した選手がいますので、彼らがしっかりとその気持ちを持つことができれば、優勝も現実味を帯びてくると思います。 あと、これは個人の考えです。楽天の監督時代にはできなかったのですが、中継ぎ陣が試合中にマッサージを受けたりするのは反対なんです。それは先ほどの「周りを見て、自分が何をすべきか」につながります。試合はせいぜい長くても3時間半。中継ぎも試合中は、しっかりと試合の流れや状況を把握する。それで自分が試合に出たときに最低限何をすべきなのか、理解し行動できるのだと思うんです。そういう意識を持てるかどうか、それが阪神の連覇を止めるために必要なことなのです。
週刊ベースボール