【楽天】プロ初勝利古謝樹の野球人生は「下克上」そのもの 無名の高校時代からドラ1で体現
<とっておきメモ> <日本生命セ・パ交流戦:中日2-7楽天>◇8日◇バンテリンドーム 楽天ドラフト1位の古謝樹投手(22)が、プロ初勝利を挙げた。 「日本生命セ・パ交流戦」の中日戦でプロ2度目の先発。6回88球、9安打2失点3奪三振と力投した。打線は1番小郷裕哉外野手(27)が、2回にプロ初の4号満塁弾を放つなどルーキーを強力援護。チームは今季最長の5連勝を飾った。球団初の交流戦4カード連続勝ち越しで交流戦首位の座も死守。最大9あった借金も1まで減らした。 ◇ ◇ ◇ 古謝の野球人生は「下克上」そのものだ。湘南学院時代は無名。3年夏は神奈川大会3回戦で敗退し、甲子園には縁がなかった。だが、指先の感覚に優れた長身左腕としてプロのスカウトからひそかに注目されていた。桐蔭横浜大の斉藤博久監督は「あるスカウトに『高卒だと厳しいけど、大学で頑張ればプロに行けるような面白い投手がいる』と聞いて、湘南学院の古謝を知ったんですよ」と出会いを明かす。 古謝は複数校の練習を見学したが、斉藤監督が「プロを目指そう」と声をかけ、同大に進学した。2年春の神奈川工科大戦でリーグ戦デビューすると、8回2死まで無安打投球と快投。同監督は「こいつは順調に行けば絶対プロに行けるなとゾクゾクしたのを覚えてます」と振り返る。 高校時代に成功体験がなかった古謝に、斉藤監督が言い続けてきた言葉がある。「お前は自分が思ってる以上にいいピッチャー。相手を悪い意味じゃなく見下して『俺のボールを打てるものなら打ってみろ』という気持ちでマウンドに上がんなさい」。大学4年で日米大学選手権の日本代表に選出された古謝は、毎年12人しかいない「ドラフト1位」でプロ入り。座右の銘にする「下克上」を体現した。【楽天担当 山田愛斗】