「料理の鉄人」93歳道場六三郎氏&82歳坂井宏行氏、高齢者向け介護・嚥下食を初プロデュース
高齢者向けの嚥下食などを企画・開発・販売する七日屋(福岡県北九州市)は9月17日、都内で新商品記者発表会を行い、1990年代にフジテレビ系で放送されて大ヒットした料理バラエティー番組「料理の鉄人」で知られる料理人の道場六三郎氏(93)と坂井宏行氏(82)が登壇した。 【写真】ハンバーグやメインディッシュも!道場六三郎氏&坂井宏行氏プロデュースの「100歳ごはん」 同社では “和の鉄人” 道場氏が監修した「100歳ごはん やわらか仕上げ」全8品に続き、“フレンチの鉄人” 坂井氏が監修した嚥下食「100歳ごはん フレンチえんげ食」全12品を発売。道場氏が張りのある声で「道場六三郎です。今日はお暑いところ本当にありがとうございます」と挨拶すると、坂井氏は「久しぶりに道場さんが横に立っていると結構緊張する」とこぼして笑わせた。 初めての介護食・嚥下食を手がけた2人。道場氏は「年を取ってくるとどうしても口を大きく開けられないので、なるべく小さくカットしたり、やわらかくしたり。なるべく味を崩さないことを心がけた」、坂井氏は「年を重ねるごとに食べられなくなる問題は確実に出てくるので、これからはこういう仕事が増えてくるのかなと思った。何とか自分が納得できるような形にできたんじゃないかと思いますけど、むちゃくちゃ難しかった」とその苦労を語った。
2人はそれぞれ介護施設を訪問し、入居者にも食事を振る舞った。道場氏は「僕なんかは幸せだとつくづく思った。ああいった方々がいっぱいいらっしゃる。つくづく健康なことは幸せなんだと分かりました」とかみ締めるように語り、提供したハンバーグについて「あれは今、女房がいないので自分の家で自分で作っているもの。あるもので作ることが圧倒的なので、僕の料理はほとんど思いつき。形も細長くてひと口で食べられる」と説明。 さらに「食材と食材を組み合わせるとまた違った味が出てくる。僕はよく交わりは進化と言うんですけど、新しいものが生まれるので、僕は生きている限り料理からは離れられない」といい「料理は思いやり。相手のことを思いやって、ああしようこうしようという優しさを心がけている」と料理人としての矜持を語った。