世界で人気高まるスウェーデン発「アワー レガシー」 成功の秘訣は「ゆっくりと着実に」
「『アワー レガシー』の中にあるリサイクルやアップサイクルのハブのようなもの」と表現する「ワークショップ」では、他ブランドとのコラボレーションにより、年間8~12のスペシャルプロジェクトにも取り組んでいる。昨年は「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」との協業によるカプセルコレクションも手掛けた。きっかけはプロジェクトごとに異なり、「『エンポリオ アルマーニ』の場合は先方からアプローチがあったが、「サティスファイ(SATISFY)」のようにパーソナルな友人関係からプロジェクトに発展することも多い」という。全てに共通するのは、古い在庫や素材を使いながら、クリエイティブの力で新鮮で面白いアイテムを作ること。最新プロジェクトとして、4月26日にはフランスのシューズブランド「パラブーツ(PARABOOTS)」とのコラボによるデッキシューズを発売した。
目標は、世界の主要都市に“ホーム”を築くこと
「アワー レガシー」は来年、設立20周年を迎える。今後数年の目標に掲げるのは、東京やパリなど主要都市に、自分たちの“ホーム”となる空間を築くことだ。「東京は私たちが最も好きな街の一つであり、『アワー レガシー』にとって大きなポテンシャルを秘めているとも思う。間違いなく最優先の場所だ。また、ヨーロッパではパリやミラノ、アメリカだとニューヨークとロサンゼルスでの出店を検討している」とハリン。「店舗は体験の場であり、人々はリアルな体験を求めている。食べ物でも、レストランでサービスや雰囲気を含めて堪能するのと、家でデリバリーするのでは全く異なるだろう?特別なプロジェクトも交えながら、『アワー レガシー』の世界観を表現していくことが重要だと思う」と続ける。
また現在、メンズとウィメンズの売り上げ構成比率は8:2。市場規模という観点でウィメンズの重要性は高く、今後さらに広げていくことを視野に入れる。しかし、「『アワー レガシー』では、ずっとトレンドや他のブランドを追いかけることも、急激な成長を目指すこともなく、自分たちのペースでブランドを確立することに取り組んできた。それが今の支持につながっていると思う。メンズがオーガニックに成長してきたように、ウィメンズも焦ることなく、地道に続けていくつもり」と、その姿勢はあくまでも自然体だ。「インディペンデントなブランドである『アワー レガシー』は、いろんなところから受けるプレッシャーもなく、ただただ自分たちが良いと考えることに向き合える。だからこそ、出店や拡大を急ぐことはなく、これからもゆっくり着実に進めていきたい」。