ミニキャブEVを日本郵便から3000台の大量受注! 郵便配達を支え続けた11年の三菱の実績が実る
先代「ミニキャブミーブ」の納入実績は驚異の5000台以上
2024年7月8日、三菱自動車が日本郵便から集配用の車両として、同社のワンボックスタイプ軽商用電気自動車「ミニキャブEV」を3000台受注し、2024年秋から順次納入を開始すると発表した。 【画像】これぞはたらくEV! 日本郵便のミニキャブミーブの画像を見る 日本郵便には「ミニキャブEV」の先代モデルである「ミニキャブミーブ」を、2013年から5000台以上納入してきた実績がある。そのミニキャブミーブは、2023年12月に新型の「ミニキャブEV」に進化を遂げ、駆動用バッテリーは電池容量を旧型比で25%向上させたほか、モーターとインバーターを一体化構造にするなど、効率向上を図って航続距離を35%向上させている。 今回の新型ミニキャブEVの大量受注に至った背景には、これまで約11年にわたって従来型のミニキャブミーブを使用してきた実績と、それに基づいた性能向上が盛り込まれたモデルチェンジが為されていること、この2点が大きく影響しているはずだ。 何せ先代ミニキャブミーブは12年間で約1万3000台が製造され、そのうち5000台以上が日本郵便に納入されているのだから、三菱自動車が大口顧客にとって使いやすいクルマに仕上げ、再度受注を狙ってくるのは当然のことであろう。 「ミニキャブEV」は、ルート配送に十分な航続距離180km(WLTCモード)を実現している。大容量の荷室空間をもち、重い荷物を積載した場合でも、滑らかで力強いモータードライブでキビキビと走行することができる。 さらに、CO2を含めたガスをまったく排出しない環境性能だけでなく、閑静な住宅街での集配でも音を気にする必要のない静粛性の高さや業務時間内の給油の手間を省ける利便性などが、日本郵便では好評を博しているという。ラストワンマイルの課題解決に貢献するとともに、温室効果ガス排出量の削減を目指す日本郵便の環境マネジメントの推進にも寄与するという。 三菱自動車の加藤隆雄社長は、日本郵便へのミニキャブEV大量納入にあたって、次のようにコメントしている。 「現在、世界中で急速に進んでいる脱炭素社会にむけた取り組みへの対応を求められています。この度、日本郵便さまより新たに3000台のご契約をいただいたことは、長年ご使用されるなかで高い評価をいただけた結果と認識しており、大変ありがたく思います。今後も当社は、電動車の開発・生産・販売を行うだけでなく、電動車への共感を広げる活動を通じて普及活動に取り組み、持続可能な社会の構築に貢献していきたいと考えております」 日本郵便では集配用車両の電動化だけでなく、日頃、各家庭に郵便配達を行うバイクの電動化も急速に進めている。住宅街でひっきりなしにストップアンドゴーを繰り返すバイクの音は、少々耳障りに感じる面もあったが、電動化により劇的に騒音が改善されたと感じている。ルート配送の集配車両であっても、全国津々浦々に郵便局を構える日本郵便だけに、EVによる騒音低減は我々の住環境にとって非常に効果的でありがたい。 業界に先駆けEVの軽商用車を設定した三菱自動車と、それを今日も変わらず採用を続ける日本郵便の姿勢を評価したい。
TET 編集部