【特集】『パパ』だけど『ママ』になりました 「簡単に人は死ぬ。だったら、後悔のないように…」テレビ局の特派員として取材する中で抱いた想い あるトランス女性が守ると決めた家族・未来のために、今できること―
この日、家族で向かったのは、ゆりさんの実家です。ゆりさんの両親は、結婚を前向きに受け入れてくれました。
(ゆりさんの母) 「会うまでは、反対していた。でも、自分たちで強い気持ちで決めていたから、周りがそんなに言うこともなかった」 (ゆりさんの父) 「“ちょっと見”が違うよね。ただ、そう思っただけのことであって、抵抗はなかったね」
でも、ももちゃんの今後については、不安が募ります。 (ゆりさん父親) 「多分、いじめに遭うと思う。これから、そこをどういうふうにカバーしていけるか。説明しても、まだわからないと思うし、そこだけ心配」 (谷生さん) 「私も心配なんですよ。そこは一番気にしています。これから『ももちゃんのママって、本当はパパなんでしょ』みたいなことも絶対あるし、『そうだよ、そういう人もいるんだよ』と言えるような環境を、どうやって作ってあげられるか。あの子をいかに守るか―、それしか考えていないです」
周りと違った家族の形で、嫌な思いをするかもしれない―。思春期のももちゃんに向けて、自分や家族の歩みを本に記しました。 (谷生さん) 「『パパだけどママって、何?』って、なるかもしれないですよね。その時に、ちゃんとあの子が手に取って、こういうふうにママは生きてきて、あの子が本当に望まれて愛されて生まれてきたんだなというのを、本にしておくと、客観的に知ることができる」
「自分が信じる道を行けばいい。わかる人って絶対いるから」“誰も歩いたことのない道”を正々堂々と歩む、素敵なママからのメッセージ―
ももちゃんが生きる未来のため、“ママ”として何ができるか―。 訪れたのは、思春期を過ごした故郷・神戸の高校です。
大勢の高校生の前で、谷生さんは語ります。 (谷生さん) 「パパだけど、ママになりました。神戸の片隅で、自己肯定感の確立に悩みながら夢だけを膨らませていた少年が、いかにして自分らしさを創出して夢を実現し、ハッピーな“ママ”になったか―。ワケわかりませんね(笑)」
高校生たちに、トランスジェンダー女性として、自身の経験を伝えました。望むのは、“誰もが生きやすい優しい世の中”になること―。
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