【特集】『パパ』だけど『ママ』になりました 「簡単に人は死ぬ。だったら、後悔のないように…」テレビ局の特派員として取材する中で抱いた想い あるトランス女性が守ると決めた家族・未来のために、今できること―
「日本テレビ」の報道番組『news zero』に、コメンテーターとして出演。 (谷生さん/2018年、『news zero』で) 「谷生俊美です。『日本テレビ』には男性として入社しまして、現在はトランスジェンダー女性として、映画と向き合って7年目となります」
39歳の時、女性にトランスして、『谷生俊美』として生きていくことを決意―。広く世間にカミングアウトしたのです。 (谷生さん) 「私は、誰にも恥ずかしくないように生きているし。女性と男性は、見えている世界がこんなに違うんだということに気付いて、そこからいろんな気付きになりました」
「子どもを持てる可能性は、ほぼなかった」それでも生まれてきてくれた“奇跡の子”、ももちゃん!パパだけどママ…書き記したのは、心から伝えたい“ある想い”―
谷生さんは10年前、パートナーの女性・ゆりさん(仮名)と結婚しました。ゆりさんは、谷生さんが男性として過ごしていた時からの知り合いです。 Q.トランスしたことに、驚きは? (谷生さんのパートナー・ゆりさん) 「驚きはありました。完全にフリフリしたブラウスを着ていたり、最初は違和感というか、自分の中で『どう消化していけばいいのか』というのはあった。結局、中身は変わっていないので、その人を尊敬したり好きだったりしているから、時間をかけながら、気持ちの整理がついていっているんだろうなと、振り返ると思います」
互いを受け入れ、子どもを持ちたいと思った二人。しかし、谷生さんが女性ホルモンを摂取していたことが、大きな壁になりました。 (谷生さん) 「“自分の実子を持つという選択肢”を自ら消すホルモンを摂取していたので。始めたときに、その可能性は完全に消したつもりだったし、それは重い決断でした。ただ、子どもを持てる可能性があるのかなと調べたら、ほぼなかったんですけど、わずかな可能性があるというので、いろんな負担もあるんですけど、頑張ってみようかということで…」
2019年、不妊治療の末に生まれたのが、ももちゃん。それは家族にとって、奇跡に近い出来事でした。 (谷生さん/2019年、病院で) 「ももちゃん、初めて抱っこします」 (ゆりさん/2019年、病院で) 「どうですか、感想は?」 (谷生さん/2019年、病院で) 「……なんかもう、言葉がないねぇ」 (ゆりさん/2019年、病院で) 「ももちゃん、見てるよ」 (谷生さん/2019年、病院で) 「…パパだけど、ママだからね。“ママ(谷生さん)”と“かーちゃん(ゆりさん)”で、守るからね。君を、いっぱい愛してあげるからね」
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