【特集】『パパ』だけど『ママ』になりました 「簡単に人は死ぬ。だったら、後悔のないように…」テレビ局の特派員として取材する中で抱いた想い あるトランス女性が守ると決めた家族・未来のために、今できること―
「日本テレビ」で映画プロデューサーを務める谷生俊美さん(50)は、戸籍上は父親ですが、“ママ”として子どもを育てるトランスジェンダー女性です。家族は、パートナーの女性“かーちゃん”と、娘のももちゃん―ちょっと珍しい3人家族。 【動画で見る】葛藤や悩みを抱えながら…誰も歩いたことのない道を ママとして子育てに励むトランスジェンダー女性 (「日本テレビ」映画プロデューサー・谷生俊美さん) 「男性として生まれて、女の子になりたいと思いながら道筋の見えなかった大人が、女性として生きようと40歳手前で決意して、いかにしてママとして我が子を抱くに至ったかのお話です」 葛藤や悩みを抱えながらも歩む、谷生さんが伝えたい想いとは―。
「私は、誰にも恥ずかしくないように生きている」女の子になる夢を見ていた青年が、自らの気付きで切り開いた“生き方”
谷生さんは男の子として育ち、19歳まで兵庫・神戸で過ごしました。 Q.女性になりたいという気持ちが芽生えた、きっかけは? (谷生さん) 「きっかけは覚えていないけど、物心ついた時には、女の子になる夢を見ていました。すごく小さい時から、トンネルをくぐったら女の子になった夢を見ていた。幼稚園の時ぐらいじゃないかな。それは、ずっとありましたね。でも、どうすればいいかわからないし…」
県内有数の進学校に進み、体育祭でリーダーを務めるなど、男子の中で中心的な人物として過ごしましたが、周囲に“思い”を打ち明けることはありませんでした。
(谷生さん) 「言っても理解されないし、性を変えるとかはできるとも思わないし、術もわからないし、ロールモデルも見つからないし…。一般的に良い大学に行って、良い会社に入って、お金持ちになりたいとか、そんなことは思っていました」
その後、「日本テレビ」に、男性・谷生俊治として入社。報道記者として、30代でエジプトに駐在。戦争やテロといった危険な中東情勢と隣り合わせの日々の中で、“気付いたこと”がありました。
(谷生さん) 「あっという間に、命って奪われるんですよ。簡単に人は死ぬんです。そういうのをいっぱい見て、『人間って本当にあっという間に死んじゃうんだな』と思ったんです。だったら、『後悔がないように生きないといけない』と思ったのが、カイロでの一つの大きな気付きでした」 そして、帰国後―。
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