シャープ2年ぶり営業黒字…不採算事業整理で
シャープが12日発表した2024年9月中間連結決算は、堺工場(堺市)での大型液晶パネルの生産を8月に終了したことなどから、売上高が前年同期比5.3%減の1兆964億円だった。こうした不採算事業の整理により、本業のもうけを示す営業利益は4億円(前年同期は58億円の赤字)と、中間期としては2年ぶりに黒字となった。 【画像】 シャープ本社(堺市) 投資有価証券の売却益を282億円計上した結果、最終利益は約4.6倍の229億円だった。事業別の営業利益は、家電などの「ブランド事業」が、オフィス向け複合機や海外向け高付加価値家電などが好調で、10%増の302億円。経営の重荷となっていた大型液晶パネルなどの「デバイス事業」は、赤字が201億円(前年同期は252億円の赤字)に縮小した。
シャープは堺工場をAI(人工知能)用データセンターに転用することを計画しており、ソフトバンクやKDDIと、それぞれ協議している。オンラインで記者会見した沖津雅浩社長兼最高経営責任者(CEO)は、ソフトバンクとは24年度中に土地と建物を売却する方向で最終協議を進めており、KDDIとも25年度中の本格稼働に向け条件などを詰めていることを明らかにした。 シャープはデバイス事業が収益を圧迫し、23、24年3月期連結決算で2年連続の巨額の最終赤字を計上していた。家電などのブランド事業に重点を置いた結果、25年3月期については、最終利益を50億円とする業績予想を据え置いた。