神田神保町:伝統とサブカル文化が隣り合う「世界一」の古書街
猫の本屋に“寄り道”
神保町交差点のすぐそば(白山通り沿い)で思わず足を止めたのは、「猫本専門 神保町にゃんこ堂」こと「姉川書店」だ。常時600種類以上の猫本を取りそろえており、立ち読み自由。新刊書店なので“古本屋巡り”からは外れるが、猫好きなら見逃せない。本を購入すると、読書する猫のイラストが楽しいオリジナルブックカバーを付けてくれる。
シェア型書店:棚主の“推し本”
2024年3月、神保町交差点近くにオープンした「PASSAGE SOLIDA」は、仏文学者で古書収集家の鹿島茂さんがプロデュースしたシェア型書店だ。「passage」は通り道、「solida」は「連帯」の意味で、それぞれの書棚にフランスに実在する通りの名前が付けられている。 棚ごとに「店主」(棚主)がいて、新本、中古本を自由な価格で販売する。入会金1万3200円、賃料(一棚月額5500円から)で棚主になれる。2年前に靖国通りの裏手・すずらん通りにオープンした1号店「PASSAGE」には申し込みが殺到したそうだ。小さな“本屋”の主(あるじ)になりたい人は多いらしい。確かに、自分ならどんな本を置くか思わず考えてしまう。
世界の本好きを引き付ける街
神保町には、外国人観光客も多い。4月末に再訪した際、高山本店で興味深げに棚を眺めているカップルに声を掛けた。ロンドン在住の二人は、初の訪日旅行2日目に古書街にやって来た。妻・クリスティナさんは、児童書専門の本屋に務めているとのこと。老舗古書店の雰囲気に魅了されたと話してくれた。 本好きなら誰でも、歴史と新しさが並存するこの街の面白さを実感できるだろう。街歩きの手掛かりとして、「BOOKTOWNじんぼう」がお勧めだ。書店・古書の検索機能に加え、店内の「360度ビュー」や、テーマごとのお散歩マップなど、役立つ情報が充実している。
出典:BOOKTOWNじんぼう「神保町古書店マップ」
文・写真=板倉君枝(ニッポンドットコム編集部)