Z世代、ミレニアル世代が集まるコンテンツ作りのポイントとは? 動画制作ノウハウをEC運営に生かした「McGuffin STORE」のノウハウ
ファン層の心理を理解した編集部や、ユーザー層と近い年代のスタッフが商品の見せ方を考える
「McGuffin」のファン層と編集部の心理はしっかりイコールになっている。編集部は他のメディアでは目に触れないような人物・事柄にアンテナを張ることを重要視しており、自分たちが好きなモノを動画で発信している。そして同じモノを好きになってくれるファンがついているのだ。 商品やECサイトのコンテンツ制作時は、視聴者層や購入者に近い年齢のスタッフの意見も重視している。大学生であるインターンの意見に耳を傾け、「何を魅力的だと感じるのか、何が流行っているのか」という情報を収集するのだ。また、彼らに企画を立案してもらうこともあり、ECサイトに掲載している商品写真のディレクションはインターンである彼らに相談しながら制作したという。
┌────────── 大学生のインターンの人たちに、コーディネートや撮影場所などを相談して決めていった。彼らと同世代の人が欲しくなるような絵作りをしたいからだ。またSNSの発信の方法なども参考になる。たとえば、タグ付けはどのようにしたら良いなど、いろいろな意見をあげてくれる。(林氏) └──────────
なお、SNSでECに関する発信回数は月1~2回程度とあえて少なくしている。「McGuffin」のカルチャーを好きなユーザー、特に男性は「SNSで自社商品について発信しすぎること」を“ダサい”と感じる傾向があると感じているためだ。 ■ EC運営はゼロからのスタートも、動画やコンテンツ制作のノウハウ・強みを生かす ECの運営で苦労している点について林氏は、「『McGuffin』は動画制作のメディアであり、ECはもちろん、アパレル商品の企画・製造・制作のほぼすべてについてノウハウがなかった」ことだと話す。 しかし、長年培ってきた動画やコンテンツ制作のノウハウはあった。商品の宣伝動画などを作れる強みがあり、動画出演者がモデルをしてくれるコンテンツも比較的容易に制作することができた。こうした強みを生かし、主力アイテム「video series」の売り上げは発売から2か月程で約3倍に伸長。動画コンテンツの広告収益の半分くらいまで利益を確保できるまでに急成長を遂げている。