皇室と軽井沢「戦争を忘れない」繰り返し“開拓地”を訪れる理由とは【皇室a Moment】
そうです。こちらは1958年の映像ですが、お二人はその前の年、1957年8月、軽井沢のテニスコートで出会われました。上皇さまのペアは、正田美智子さんと外国人の少年のペアと親善試合のダブルスで対戦し、敗れたことからロマンスが始まりました。婚約の会見が行われたのはこの映像の3か月後です。
◾️ご一家の“避暑先”になった軽井沢
結婚後、軽井沢はご一家の避暑先になり、お子さま方も小さい頃から軽井沢の自然に親しまれてきました。こちらは1歳半の浩宮さま(天皇陛下)です。上皇ご夫妻、そして叔父の常陸宮さまと散策されている様子です。陛下が引いていらっしゃるのは当時のブリキ製の救急車でしょうか。微笑ましいシーンです。 ――元気いっぱいでかわいらしいですね。1歳半とのことですが、すでにお顔に面影がありますね。
また、こちらは1972(昭和47)年、6歳の礼宮さま(秋篠宮さま)と、3歳の紀宮さま(黒田清子さん)です。清子さんは軽井沢滞在中、大日向にある保育園に通い、地元の子どもたちと自然の中で遊びました。 ――こうして見ますと、上皇ご一家の夏といえば軽井沢だったんですね。その後も避暑で訪ねられたんですか?
上皇さまが即位された翌年の1990(平成2)年、昭和天皇の喪が明けるとご一家は軽井沢に滞在されました。皇太子となった30歳の天皇陛下も交え、テニスを楽しまれる場面もありました。当時の最大の取材テーマは陛下のご結婚でしたので、動きをウオッチするために私も現地で取材しておりましたが、ご一家の皆さまが本当に軽井沢がお好きで、リラックスされているという印象を強く受けました。 ――陛下が大きくなった後も家族みなで同じ軽井沢で過ごすというのはすてきですね。 しかし、その後しばらく間が空きます。
レポーター:「天皇皇后両陛下13年ぶりの軽井沢でのご静養です。今笑顔で集まった皆さんに手を振ってお応えになっていらっしゃいます。この13年間の間に駅舎も近代的になりました」 次に上皇ご夫妻が軽井沢を訪問されたのは、2003(平成15)年、13年ぶりのことでした。この間、軽井沢には新幹線が通り、駅の周辺は大きく変わりました。この訪問から、植物を介した“交流”が始まります。