特別な才能と人間性を備えたイングランドの若き救世主【現地発】
自らの手で試合の脚本を書くイングランド代表の救世主
自らの決勝弾でセルビア戦に勝利し、試合後に笑顔を見せるベリンガム。タレント揃いのチームの中でも頭ひとつ抜けた存在感を放つ。(C)Getty Images
EUROを戦うイングランド代表の中核を担っているのがジュード・ベリンガムだ。この21歳の若者は初戦のセルビア戦で決勝ゴールを奪うなど、絶大な存在感を発揮。重圧を微塵も感じさせないその姿は、まさに“救世主”と言っていいだろう。(文:オリバー・ケイ/訳:井川洋一 2024年7月4日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イングランド』を転載) ―――◆―――◆――― EURO2024が開幕する数日前、『アディダス』社は、あるキャンペーン映像をSNSで公開した。 その動画は、イングランド代表がドイツ代表に敗れた1996年のEUROの準決勝を観戦し、悲嘆に暮れる家族の姿で始まる。バックで流れるのはビートルズの名曲だ。 「ジュードよ、くよくよするな。悲しい曲を聞いて前向きになろうじゃないか」 ポール・マッカートニーの歌声が響く。 そ
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