【ラグビー】猛練習も「普通の練習」。日本代表のファウルア・マキシは「自分らしくプレー」
激しい。勤勉。基本プレーが丁寧だ。ファウルア・マキシは周りからこう見られる。 ラグビー日本代表のFW第3列として、今年は夏までのテストマッチ全7試合に先発。約9年ぶりに復職のエディー・ジョーンズヘッドコーチにも、「世界一のNO8になる可能性を秘めている」と期待される。 もっとも、当の本人は控えめだ。 「満足はしないです。まだまだ、自分自身はまだまだ上を目指していける」 悔しさをばねにする。昨年はワールドカップフランス大会への候補メンバーとなるも、選考レースで落選した。 その後は自分を見つめ直した。タフなセレクションの場で、「自分の強みを出せていなかった」のを反省した。所属するクボタスピアーズ船橋・東京ベイへ戻ってから、普段の練習、さらには国内リーグワンの公式戦で「どんどん自分の強み」を示し続けるのを意識した。 「トレーニング中も、リーグワンでも自分らしくプレーしたら、いつかチャンスは来るんかな…と」 必死に戦ううち、いまのポジションに辿り着いたわけだ。ジョーンズ体制は試合後のオフ明けのトレーニングが極めてタフだと評判だが、本人は「きついですけど、勝つための練習なので。普通の練習です」とどこ吹く風。10月から動くスコッドにも名を連ね、ニュージーランド代表などとの対戦を見据える。 自身のフォーカスポイントについて、以前こう話していた。 「80分間、どれだけ自分のボールキャリーができるか。アタックのゲイン(ライン=攻防の境界線)を前に持っていけるか」 「あとはエフォート(努力する姿勢)、ワークレートをもっと上げたいですね」 身長187センチ、体重112キロの27歳。トンガ出身で、日本航空石川高、天理大を経て2019年にスピアーズ入り。この秋、そのスピアーズでの主将就任が発表された。長年、その役目を務めた立川理道からのバトンを受け継ぐ。どの環境にいても頼られる。 (文:向 風見也)