【GACKTさんが語る】誰もが魅了される!話題の信長役「自分に近いところがある」
映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』で織田信長を演じているGACKTさん。クールで知的で残酷なカリスマ役は彼にぴったり。役への思いから会ってみたい過去の偉人までインタビュー。 【写真】素敵なアラフィーに聞く!特別インタビュー
織田信長は、どこか自分に近いところがあるなって
信長役が、ハマってる! 映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』は、AIで復活させた歴史上の偉人たちが内閣をつくり、日本のピンチを救うという物語。その中でGACKTさんは、織田信長を演じているのだ。クールで知的で残酷なカリスマ・信長は経済産業大臣となって、大胆な政策を断行する。 「もともと好きなんです、信長というキャラクターが。彼はよく『是非に及ばず』って口にしたらしいけど、ボクはそれ、『迷っている場合じゃない』って解釈している。人は何かを前に、どうしても躊躇してしまうものだけど、信長はすぐに判断して行動する。しかも彼は運が強かった。だから彼の存在は、敵対する者たちを圧倒したんだと思います。日本人の枠からはみ出しているし究極のパワハラだけど、確実に成果をあげるまであきらめない。どんな結果も受け止める。仲間と群れない。なあなあで生きることを望まない。そこはすごく、自分に近いところがあるなと思います」 信長といえば、ドラマや映画に登場すると必ず『敦盛』を舞うのがお約束。GACKTさんも? 「はい、舞いました。でも型にはまった所作は、信長には似合わない。もちろん勉強してから現場に臨みましたけど、信長らしいくずしをかなり入れてます」 野村萬斎さん演じる徳川家康、竹中直人さん演じる豊臣秀吉とのやりとりも、見どころのひとつ。 「信長は49歳で亡くなっているので、蘇った家康も秀吉も年長なんですが、立場的にはボクのほうが上なわけで(笑)。そのアンバランスさが、おもしろいですよ」 そんなのあり?と思うような設定でも、彼が演じると、思わず納得。稀有な俳優だ。 50代となった今、生活の拠点をマレーシアにおいている。 「今までずっと突っ走ってきたので、自分が若いときにできなかったことをひとつひとつ、回収しているような感じです。例えば仲間とくだらない時間を過ごすとか。20代のころはそんなの必要ないと思っていたけれど、今なら余裕で楽しめる。マレーシアの連中はみんな20代で年下ばかりだけど、年齢差関係なく接してくれるから。そういうのって新鮮だし、ああ、こういうことなのかって、若さというものの本質を、再認識しているような感じかな」 本作は、荒唐無稽なファンタジー。ではあるけれど、現代の日本にピリリと一滴、劇薬をたらしてくれるエンターテインメント作品に仕上がった。ちなみに、GACKTさんが会ってみたい過去の偉人は、ショパンとリスト。 「ふたりは同時代に生きた天才で、好き勝手に生きたリストと、生きるのがヘタで孤独だったショパン、対照的です。ふたりはどんなふうに人生を音楽に捧げたんだろうって、それを横で見てみたい」 GACKT がくと●’73年、沖縄県生まれ。世界中にファンをもつミュージシャンであり、大河ドラマや映画に主演する俳優であり、時にはタレント活動も。現在は“表現者”として多彩な活動を続ける個性派アーティスト。映画『翔んで埼玉』(’19年)で、第43回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞。現在はマレーシア在住。
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
’21年に大ヒットとなった同題の小説を映画化。コロナ禍の最中、総理が急死。未曾有の緊急事態をのりきるため、AIで歴史上の偉人たちを復活させ、最強内閣が誕生する。徳川家康をはじめカリスマたちが日本復活へと導くが……。出演は浜辺美波、赤楚衛二、野村萬斎。全国公開中。 Ⓒ2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会 撮影/黒沼 諭(aosora) ヘア&メイク/タナベコウタ(atelier decopa LLC) スタイリスト/ROCKEY 取材・原文/岡本麻佑 ※エクラ2024年9月号掲載