性別騒動女子ボクサーがメダル確定に涙 審判5人全員全ラウンド10点の完勝劇 相手ハンガリー選手、五輪委「誇り」「棄権選択肢なかった」IOC判断支持
「パリ五輪・ボクシング女子66キロ級・準々決勝」(3日、パリ北アリーナ) 性別騒動の渦中となっているイマネ・ケリフ(アルジェリア)がアン・ハモリ(ハンガリー)と対戦し、5-0で完勝し、準決勝進出を決めた。3位決定戦がないため、銅メダル以上が確定した。 1回から3回まで5人すべてのジャッジがケリフに10点をつける完勝だった。騒動の渦中に身を置く中、メダルが決まると、思わず涙がこぼれた。 昨年の世界選手権で性別適格性検査で不合格となっているケリフ。出場に厳しい目が向けられている中、1日に行われた試合でケリフと対戦したアンジェラ・カリニ(イタリア)が強打の前に開始46秒で棄権。その場で号泣し、波紋が広がった。その後、IOCは声明を発表。同じく世界選手権の検査で不合格となっている同57キロ級出場のリン・ユーチン(台湾)を含め「2人は女子カテゴリーの大会で長年活躍してきた」と強調し、世界選手権での失格は「IBAによる突然の恣意的な決定で正当な手続なしで突然失格となった」とし「選手の性別と年齢はパスポートに基づいて決定される。すべての人は差別なくスポーツをする権利を持っている」と、出場の正当性を訴えている。 試合後、ハモリは「やりたいことはすべてやれた。いい試合だったし、自分をとても誇りに思う。対戦相手(ケリフ)と他の選手たちの幸運を祈りたい」と語った。騒動の中でハンガリーの五輪委員会も声明を発表。「あらゆる試合、競争は競技場の中で決定されるべき。戦わない、試合に出場しないという選択肢はまったくなかった。ハンガリー人は状況がどんなに困難でも持久力とフェアプレーの精神で勇敢に戦っています」と、棄権を求める声に反論。「IOCが正しい決定を下すと100%確信している」とIOC支持を表明し、「ケリフと66キロ級のすべての選手の準決勝進出を祝福する」とした。