埼玉栄、鍵などの管理体制不備認め陳謝 高2運転の死亡事故受け
さいたま市西区の埼玉栄高校のグラウンドで、男子生徒(16)が運転する軽乗用車が横転し、助手席にいた男子生徒(17)が死亡した事故を受け、学校を運営する佐藤栄学園が19日、記者会見を開いた。田中淳子理事長らは車の鍵の管理などに不備があったとし「管理責任を重く受け止めている」とし、「前途ある本校の生徒の一命が失われた。ご遺族の方をはじめとして関係生徒、皆様方に深くおわび申し上げる」と陳謝した。 【写真】事故のあったグラウンドの様子=2024年11月17日午前5時38分、さいたま市西区、恒川隼撮影 事故は、16日午後11時半ごろに発生。捜査関係者によると当時、車には2年の男子生徒3人と、1年の男子生徒(16)が同乗。1年生は事故後、現場から立ち去っていたことが判明したという。 同学園によると、車はグラウンド整備用にサッカー部が2022年8月に購入した。ナンバープレートはつけていなかった。 ■日ごろから無施錠 鍵の管理状況、学校側把握せず 車は日ごろから無施錠でグラウンド脇に止められ、同部の監督やコーチ陣が利用。鍵は、車内の助手席前の収納やダッシュボードの上に置いた小物入れに保管されていて、誰でも使える状態だった。ほかの部活では顧問が車の鍵を管理しているといい、学園側はサッカー部の運用を把握していなかった。 グラウンドの入り口は部活後の夜間は施錠されるが、乗り越えて内部に侵入できる状態だという。 車に乗っていた生徒たちはいずれも同部以外の運動部に所属し、学生寮で生活。寮では、生徒の夜間の出入りを管理人がチェックしていたが、玄関や食堂の窓などから抜け出すことは可能だったという。学園側は今後、事故に関係した生徒らへの聞き取りを行う方針という。 事故に関わった生徒らは、県警の調べに「過去にもグラウンドで運転した」と説明。県警は生徒による運転が常態化していた可能性も視野に調べている。(浅田朋範、黒田壮吉)
朝日新聞社