鎌田大地はJリーグが生んだ傑作 渡欧前からポテンシャルの高さは明らかだった
鎌田はJリーグで2年半プレーした後、欧州挑戦に踏みきっている。語学力を含めて久保建英のようなコミュニケーション能力があるわけではなく、フランクフルト入団1年目はかなり苦労したようだ。しかしシント・トロイデンではリーグ15得点を記録し、欧州に適応。フランクフルトに戻ると、4シーズンの在籍でDFBポカール(ドイツカップ)、ヨーロッパリーグ優勝に貢献した。 今シーズンから鎌田はイタリア、ラツィオに新天地を求めている。かの国特有のサッカー文化には、今も適応に苦しんでいる。フィジカルや士気の高さの比重が高いプレースタイルで、戦術も「負けない」ことを土台に組まれているイタリアの風土は、鎌田の肌に合わないようにも映るが......。 ひとつ言えるのは、鎌田に匹敵する「時間を操るファンタジスタ」は、その後のJリーグには出ていないということだ。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki